民主党は19日、亡くなった小渕前首相の病状をめぐり、青木官房長官と医師団の発表内容が食い違う問題で、官房長官を有印公文書偽造と同行使、官名詐称の罪により東京地検に告発した。
民主党の森内閣疑惑解明プロジェクトチーム(PT 座長・江田五月ネクストキャビネット=NC=司法大臣)で検討した結果、告発することを決めた。菅直人政調会長、江田PT座長、PTメンバーの桜井充参院議員が地検を訪れた。
菅会長は提出後の会見で「(医師団の会見で)青木官房長官が首相臨時代理になった経緯に疑義があることが明らかになった」と指摘。さらに、「首相交代が民主的な手続きでおこなわれたかどうかは、民主主義の根幹にかかわる重大な問題。現職首相が倒れた4日後に内閣が総辞職し、森さんが首相に選ばれた。しかし、臨時代理が指定も受けずにその任に就いたとすれば、首相交代の前提そのものに重大な瑕疵(かし)があることになる」と述べ、危機管理上も大きな禍根を残したことを指摘した。江田座長は、「国民はみんな、おかしいなぁと思っているのに、政治の世界だけではクロをシロと言いくるめるなんて、通らない。そのことを明確にしたい」と述べた。
告発状では、「被告発人(青木官房長官)は4月3日、内閣総理大臣臨時代理に予(あらかじ)め指定されたことがないのに、自らがその指名を受けていたとして、(1)臨時代理指定の発令通知書を偽造して衆院議長に提出したことは、有印公文書偽造と同行使にあたる。(2)臨時代理の官名を使用したことは官名詐称にあたる」としている。
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