枝野幸男幹事長は8日、鳥取、島根と街頭演説を行ってきて、夕方には地元さいたま市に久しぶりに戻ってJR大宮駅前でマイクを握った。「昨年夏に政権交代を果たさせていただいた、皆さんのお力で重たい扉を開いていただいた」と表明。新しい政治に向けて開いた扉の向こうにしっかり歩みを進めていくために引き続き民主党の活動を注視してほしいと求めた。
枝野幹事長のホームグランドでもあり、朝立ちを続けてきた場でもある駅前にはロータリーをぐるりと囲むように約1000人の聴衆がその訴えに耳を傾け、大きな拍手と「枝野さん頑張れ、幹事長頑張れ」の声援があちこちで起った。
枝野幹事長は「間違いなく新しい時代に向けた、新しい政治に向けた歩みはスタートしている」と述べて、自らが中心になって進めた事業仕分けにおいてこれまでの自民党の政治ではわからなかった新しい事実を明らかにすることができたと指摘。野党時代の追及では暴き出せなかった実態が、政権を得らればこそ、白日のもとにさらすことができたとした。
そのうえで、民主党政権下では「法律を変えなくてもできるムダ遣いをただちにやめさせることにすでに着手している」と述べるとともに、「ムダ遣いを生み出すからくりがわかったところで、法律を変えて現状を根本的に変えていく。ムダ遣いを生み出す様々なしくみを壊していく法律をこの秋以降に準備して、法律として通していかなければならない」と説明。その実現に向けて確かな歩みを進めていくためにも民主党が衆参両院ともに安定政権としてしっかりとした力を備えていくことが不可欠だと説いた。
また、増税の問題が取りざたされている現状についても言及し、「すぐあがるかのように錯覚している方が多いがそんなことはない」と根本から否定。そのうえで、「私たちは事業仕分け等を通じてこれからもより力を入れて徹底して税のムダ遣いを削っていく」と強調。ただ、今後続くであろう高齢化社会に向け、ギリシャのように財政破綻して国民生活に影響を及ぼさないよう、社会保障を継続的に整えていくとの思いのもとで、周到な準備と前向きな議論を進めていこうとするのが民主党の考えであると説明。政権与党としての責任ある姿勢への理解を求めた。
街頭演説後は握手を求める皆さんが枝野幹事長のもとに殺到。笑顔で暑い握手を交わし、「これからの日本をよろしく」「がんばれ」の声が次々に寄せられた。
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