仙谷由人官房長官は14日午前、首相官邸で会見を行い、宮崎県での口蹄疫問題で種牛の殺処分について山田正彦農林水産大臣と東国原宮崎県知事が対立している状況についての質問を受け、「そもそも殺処分を農家の方に勧告したのは宮崎県知事であるということが前提で、口蹄疫の蔓延を完璧に近い形で飛び火させないという国の方針と宮崎県の行政の方針が一致してここまで来た」とこれまでの経緯を改めて説明。
そして、「宮崎県知事はどこかから方針が変わられたのかわからないが、殺処分をしないで欲しいという要請は、口蹄疫の蔓延を防ぐという観点から考えると、辛いことがおありだと思うが、現時点では殺処分をしていただかなければならない」としたうえで、山田農水大臣は東国原知事に、東国原知事は農家の方々にそれぞれの説得を粘り強く行ってもらいたいとの考えを示し、蔓延防止に最善の策を尽くす必要があるとの認識を表した。
次に公務員制度改革に関して、みんなの党との連携があるかという質問に、仙谷長官は自身が現職になるまでにその担当職として相当の時間を議論にかけてきたことを踏まえ、みんなの党などに対しても「公務員制度改革が必要である」という言葉としての方向性は一致しているのではないかとの認識を示す一方で、「(国家公務員の労働)基本権をどの範囲でどのように認めるのか、或いは認めないという前提に立っているのかという点において方向性が一致しているかは、議論してみないと分からない」と答えた。
また、国民新党が衆参両院で社民党との統一会派を呼び掛けていることに関連して、今後の国会運営で社民党との連携をどうするかとの質問には、「社民党さんに限らず、個別具体的な法案、特に前国会に積み残した法案については両党とも、これから丁寧に説明をして協力を求めていくことは当然のこと」と基本的な考えを述べるとともに、現在の日本の状況を見て、妥協や修正を図ってでも成立させるべき法案がある場合は全党に呼び掛け、協力を求めていく考えを明らかにした。
同日午後の会見では、仙谷官房長官は西日本中心に1時間に70ミリを超える極めて強い豪雨が降り続いており、局地的に1時間に50〜70ミリ程度の猛烈な雨が見込まれているとして、「政府として24時間態勢で情報収集に努めているが、引続き緊張感をもって対応したい。今後の対応については、今の状況を注視しながら万全を期していく」と述べた。
仙谷官房長官はこれに関連し、午前中には北九州市の北橋市長にお見舞いと政府としてできるかぎりの支援をする旨を伝えたこと、それに対し北橋市長から御礼とともに被害状況を把握するまでに時間がかかるとの連絡があったと明かした。
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