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2010/08/02
【衆院予算委】「かんぽの宿」売却問題を追及 松野議員 自公政治の遺物・事業が後退している郵政改革浮き彫りに
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 衆議院予算委員会で2日午前、松野頼久議員が質問に立ち、「かんぽの宿」売却を中心に郵政民営化に係る問題を追及した。

 松野議員は「前国会において提出した郵政改革法案残念ながら廃案となってしまった」と切り出すとまず、郵政民営化後の郵政の現状について、平成16年度末に比べ郵便貯金・簡易保険併せて97兆円減少、郵政の持っていた資産は平成17年から約400物件を売却していると述べ、「本来企業であれば民営化すれば企業の経営はよくなるはずだが、明らかに郵政事業が後退している」と指摘。原口一博総務大臣に対し、郵政民営化後に起きた経営上の問題を検証するために今年1月に発足した「日本郵政ガバナンス検証委員会」が5月に公表した検証結果について訊ねた。原口大臣は、郵政民営化によりネットワーク価値は弱まり、郵政事業における持続可能性が犯されているとの認識を示し、「ガバナンスが崩壊したのではいかとの危惧を持っている」と述べた。

 続いて松野議員はかんぽの宿売却問題を取り上げ、アドバイザーから再三にわたって処分の中止、延期等を提言されていること、処分方法について個別売却を助言されていたにも係らず早期一括売却を行ったことを問題視。西日本所在31施設、東日本所在31施設、ラフレ埼玉についてそれぞれ、18年度鑑定価格から19年8月24日、19年8月31日と急激に下落した結果、その合計金額が18年度鑑定の300億7千万円から19年8月24日で221億9千万円、19年8月31年で97億6千万円になっているとして、「安くしようと働きかけていたのではないか」と疑問を呈し、日本郵政側から不動産鑑定士に対し価格に関して何らかの働きかけがあったのかどうかを質問した。

 日本郵政株式会社側は「これで売却可能な価格かどうかということで議論がなされたと聞いている」と発言。これに対して原口大臣は「不動産鑑定は事実に即して適正に行われるものであり、とんでもない話。鑑定がこうしたかたちで歪められては鑑定評価の意味がない、意義そのものが疑われる事案」だと指弾した。

 松野議員は、不動産鑑定士は鑑定評価を「客観的価値に作用する諸要因に関して調査もしくは分析を行うもの」と記した「不動産の鑑定評価に関する法律」にも言及。施主の働きがけによる鑑定価格の変化について前原誠司国土交通大臣に見解を質すと、「一般論として、不当な鑑定評価として懲戒処分に該当する恐れがある」と答えた。松野議員は、鑑定評価が不動産鑑定士法違反の疑いがあると指摘、担当した不動産鑑定士の参考人招致を求めた。

 さらに、松野議員の質問に対し会計検査院も価格の公正性が必ずしも確保されているとは言い難いと答弁。極端に安い市場価格で売買が行われた場合の課税については、財務省が一般論として、「時価と実際の取引価格の間に差があった場合、一般的に買いて側に売主から寄付行為があったとみなされてしかるべき。本来の価格と売買のあった価格との差額については、当然に法人税の課税対象になると承知している」との認識を示した。

 松野議員は改めて、「固定資産税評価額の8分の1で売却しようとした」、「不動産鑑定に対しても安くさせるような指示をしている」と問題の大きさを強調した。

 松野議員はまた、ガバナンス検証委員会の報告のなかに、広告代理店選定に関し、飲食等の接待を受けていることを示したメールの存在が明らかになっていると述べ、贈収賄にかかわる問題であると、関係するメールの提出を求めた。

 松野議員は最後に、過去の民営化を検証すると明らかに事業が後退していると改めて指摘。郵政改革法案は「三事業の民営化として税金を投入せずにネットワークを守り経営を向上させていくもの」だとして、法案の成立に理解を求めた。

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