民主党は27日午後、自由、共産、社民の野党3党と共同で、適用対象を私設秘書まで拡大、第三者供与明記などを柱とした「あっせん利得処罰法案」の新たな野党案を衆議院に共同提出した。7月の特別国会に提出していた法案は取り下げた。菅直人幹事長と赤松広隆国対委員長ら野党の幹事長、国対委員長が議長公邸を訪れて、綿貫民輔衆院議長に法案を提出した。
与党3党が先週提出した「あっせん利得罪」を創設する法案について、「抜け道が多い」として、より厳しい内容の対案をまとめたもので、適用対象を国会議員、地方公共団体の首長、議員、公設秘書に加えて私設秘書にも拡大するほか、(1)犯罪の立証を容易にするため構成要件から「請託」を外す(2)与党案にない親族など第三者を経由して利益を得る「第三者供与」を明記(3)国外犯も処罰対象とする―など与党案より適用範囲を広げた内容となっている。
処罰対象行為についても、与党案が「国や地方公共団体が締結する契約や行政処分」と限定したのに対し、野党案は「公務員の職務に関する行為」として公務員の職務全般に拡大。さらに処罰されるあっせん行為として、わいろの「要求」「約束」「申し込み」も含めた。
刑罰は、公職にあるものの収賄が3年以下の懲役、わいろを供与したものは1年以下の懲役または250万円以下の罰金。公民権停止に関しては「刑に処せられたものは、一定期間、選挙権および被選挙権を有しない」と明記した。野党4党は、速やかにこの法案の審議に入るよう求め、今の国会での成立を目指している。
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