枝野幸男幹事長は18日午後、島根県を訪れ、宍道湖を望む松江市宍道町に平成22年4月に開校した島根県立宍道高等学校を訪問した。
真田直幸校長と昼食を取りながら学校の概要について説明を受けた後、校内を視察。生徒会通信を作成中の生徒会の皆さんと意見交換するとともに、通信制自主学習を行う様子、パソコン実習室、図書館、宍道湖の絶景が窓いっぱいに広がる音楽室など、校内を見て回った。
同校は、午前部・午後部・夜間部の3部からなる定時制課程と、通信制課程をあわせもつ単位制の普通科高校。様々な事情を抱える生徒が学べる新しいタイプの高校が求められている現代にあって、そうした実状に即して平成18年に教育委員会から設置構想が示され、開校に繋がった。同校では、従来の定時制課程や通信制課程の枠にとらわれない、生徒のニーズに即して単位をとる学習環境で、自分のスタイルに応じた時間帯を選択して学ぶことができる。
午前部・午後部・夜間部の3部からなる定時制課程では、いずれかの部に所属し、4年で卒業が可能で、自分が所属する部以外の部や通信制過程の授業を併修することで、3年で卒業することもできる。興味・関心・進路等に応じた授業単位を選び、時間割を作成して、授業を受ける形がとられている。受講料は全日制課程の約4分の1通信制課程は自宅での自学自習を主とする課程で、レポート、スクーリングで学習を進め、試験で成果を見る。3年で卒業することが可能で、受講料は全日制課程の約10分の1。
また、地域のなかで生きていくことをモットーに学校への理解を深めてもらうために地域の方との連絡協議会も定期的に実施。「今日も3時から行います」と真田校長は語った。
同時に、将来的には図書館や多目的ルームの地域への開放やパソコン実習室を地域で活用してもらい、ネットを通じてのインターネット納税なども実現していこうという構想があると真田校長は語った。
さらに、これまで不登校だった子どもたちが「自分なりのリズム」をつかんで、学校に通ってくる同校への保護者の学校への期待度は高く、7〜8割がこれまで不登校を経験した子どもたちだが、午前部・午後部とも定員80人はいっぱいで、受験倍率は1・5倍だったという。真田校長からは学力差もある学生たちの指導に、先生方が力を尽くしている現状も語られ、行き届いた指導をより高めていくためにも、定員の見直しの必要性も問題提起され、定時制・通信制はグレーゾーンで議論の土壌にのぼらないことも多いが「定数を緩めてもらえるとありがたい」との求めもあった。
家計がきびしいために仕事との両立を目指す学生たちもおり、民主党政権による高校授業料の実質無償化は大いに役立ったが、そのほかの経費を安く抑えるよう極力配慮している。制服がないのもその配慮のひとつ。
視察を通じて枝野幹事長は「百聞は一見にしかず」だったと語り、視察することで理解が深まったと明かした。子どもたちの事情に即した学ぶ機会の多様化の必要性、地域での交流の場としての公立校の活用なども含めた学校のあり方をさまざまに検討していく重要性が浮き彫りになった。
県連代表の小室寿明衆議院議員らも同行した。
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