菅直人総理(代表)は28日福岡県北九州市を訪れ、LED電球の最先端技術を持つ東芝セミコンダクター社北九州工場およびハイブリッド自動車や産業用電池、パソコン携帯電話などの小型モバイル機器用電池として注目されているリチウムイオン電池の素材開発を行っている戸田工業(戸田マテリアル)北九州工場を視察。北九州におけるものづくりの現場の実態や国内産業施設立地に関する現状など、地域経済活性化に向けて地場産業の経営者などと意見交換を行った。
2つの工場視察および座談会の後、菅総理(代表)は記者団に対して、「今回の視察は大変有意義であったが、現在の経済情勢は大変な状況にある」と振り返った。
菅総理(代表)は製造技術やコスト面などにおける海外との競争や昨年総理が副総理の立場の際に行った緊急経済対策で国内立地に関する補助金制度が一定の効果をもたらしている中で、現在の円高・株安に対する先行き不安から、設備投資に対する国内立地に関して採算性の面から躊躇する企業が多く、有力な企業がどんどん国外に設備投資し、事業展開している現状を指摘。
そのうえで、菅総理(代表)は、「日本経済を立て直すには1に雇用、2に雇用、3に雇用である。雇用があれば新しい仕事があることなので、そこでものが生まれ、GDPが上がり、経済成長する。さらに税収が上がることで社会保障も強くなっていく」と自身の考えを示した。そして菅総理は「そのためには企業の設備の国内立地に力を入れ、思い切って国内で新たに工場を作る企業が新たな業種に進出したり、現下の業種でも効果的かつ効率の良いものに変わっていくことができる」と力説。さらに、「その方向に企業が踏み出すために必要な支援やいろいろな行政上の制約は積極的に取り除く。このことを我々行政がやらなければならない」と述べ、「日本国内投資促進プログラム」の策定を指示したことを明らかにした。
菅総理(代表)はまた、「このプログラムを作り上げて法律面や人材面で政府がフォローするとともに、実行に当たっては、当面の景気・経済対策の基本方針に取り入れるものは取り入れ、その後の補正予算や来年度予算などでも検討していきたい」との考えを示した。
最後に菅総理(代表)は今回の視察に関して重ねて、「大変有意義でこれからもこのような視察を重ねながら迅速に政策に反映させて行きたい」と意欲を表した。
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