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2000/06/02
鳩山代表が国民へのアピールを発表〜誇りの持てる国づくりをしよう
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 民主党の鳩山由紀夫代表は2日の両院議員総会後の記者会見で、(1)「依存」ではなく、「自立」を選ぼう(2)「甘い言葉」ではなく、「苦い言葉」も聞いてみよう(3)日本人として誇りの持てる国づくりをしよう――と国民に呼びかけるアピールを発表した。


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国民の皆さんに訴える

民主党代表 鳩山由紀夫
2000年6月2日
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1.「依存」ではなく、「自立」を選ぼうではないか。

 私は、人間の幸福のためだと称して、一人ひとりに依存心を埋め込んでいく社会や仕組みを憎んでいます。それがお上であり、官主導であっても、どんな形であれ、「依存」の構造は人間から“誇り”や“自尊心”や“気概”を奪い取るものだからです。もうそろそろ、私たちは、依存の構造、依存心を植えつけるシステムから自由にならなくてはいけないと考えています。
 私が、補助金中心の公共事業を批判してきたのも、それが創り出す無駄とおもねりの構図をとらえてのことです。
 国民の皆さんに、私は強く訴えます。政府に依存するのではなく、政府ととともに何ができるかを共に考えようではありませんか。

2.「甘い言葉」ではなく、「苦い言葉」も聞いてみようではないか。

 私は、この国が21世紀の新しい日本に向かう備えができていないことに強い不安を覚えています。これから2025年までの四半世紀に日本は、歴史上どの国も体験したことのない高齢社会を迎えます。にもかかわらず、今日の政府は、国民に対して正直に語らず、小手先の年金改正や医療制度の見直しで有権者の歓心を買おうとしてばかりいます。
 国民1人当たり500万円を超えた巨額の財政赤字は数年後にはさらに膨らみ、国民1人に1000万円の借金となって山積みにされることになります。一体、誰がこの膨大なツケの責任をとるというのでしょうか。それが森内閣でないことは明らかです。
 私は、民主党の代表として、1人の良心ある政治家として、この無責任を認めるわけにはいかないと感じています。
 だから、国民の皆さんに私は訴えたいのです。これ以上政治家や政党の「甘い言葉」に振り回されることなく、一体、誰が「正直な言葉」を使っているのかを見極めて欲しいということです。無責任という名の慢性疾患に陥ったこの国を救うのは「甘い言葉」ではなく、良薬の如く「苦い言葉」にも耳を傾けなくてはいけないと思うのです。

3.日本人として誇りの持てる国づくりをしようではないか。

 国際社会から驚きと厳しい非難の声を受けた森総理の「神の国」発言や様々なスキャンダルが大騒ぎになる以前から、日本という国は、お金以外のことで世界から信頼されることはなくなっていました。それにつれて、私たちの心の中にも日本人としての誇りが失われつつあります。
 戦後日本は、平和憲法を基礎に勤勉な国民性を生かして世界にもうらやまれる経済大国を築いてきました。しかし、その背景には、国際社会の平和が多くの国々の努力によって実現してきたという事情がありました。すなわち、私たちは国際社会の恩恵によって支えられてきたのです。
 物質的に豊かになった日本が、今度は国際社会のために自ら努力し、日本人としての誇りを取り戻す大切なときを迎えています。私たちの好きな言葉で言えば、いわば世界への「恩返し」のときであります。
 私は、国民の皆さんに訴えたいのです。「自国のことのみに専念することなく」、世界のために何ができるか、もっと真剣に考えようではありませんか。そして、私たちの心の中に日本人としての誇りを取り戻そうではありませんか。
 そして、私たちと共に、「信頼できる政府」をつくりましよう。

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