■菅直人総理(代表)記者ぶらさがり■
「法律に基づいて厳正に対処」巡視船と中国漁船の接触事故への対応姿勢表す
菅直人総理(代表)は8日夕、首相官邸で記者団から同日沖縄県の尖閣諸島周辺の日本海領域で中国籍漁船と海上保安部の巡視船が衝突し、漁船の中国人船長が逮捕された事件について、中国政府は北京駐在の丹羽日本大使に抗議するなど、反発を強めていることから今後の対応を問われ、「我が国の法律に基づいて厳正に対処していくことだと思っている」との姿勢を冷静に答えた。
■仙谷由人官房長官会見■
8日午前、仙谷官房長官は首相官邸での定例記者会見で、同日未明、海上保安庁が尖閣諸島沖に停泊中の中国船の船長に対し、公務執行妨害の容疑で逮捕状をとり、緊急執行したことを報告した。
仙谷長官は「我が国としては、法令に基づき厳正に対処していく」とし、逮捕については「事案の事実の性質と程度による当局の判断であった」とした。
また、仙谷長官は、今回の件が今後の日中関係には影響はないとし、冷静な対処をしていくことを明らかにした。
仙谷長官は同日午後の会見で、同日14時から行われたHTLV−1(ヒト細胞白血病ウィルス)関連患者団体との面談に言及。HTLV−1は縄文時代から主に母子感染によって引き継がれていたウィルスであり、世界に約2000万人、日本に約100万人の感染者が存在しているというもの。HTLV−1は現在では骨髄移植のみしか治療法がないATL(成人T細胞白血病)や神経難病であるHTLV−1関連脊髄症(HAM)などを発症するものだと説明、これを20年前に厚生労働省(当時は厚生省)が風土病だという報告書を出したことにより検査・治療、研究・開発が進まなかった、放置してきたことが問題だと指摘されていると述べた。
そのうえで仙谷長官は、母子感染が主たる感染であることを踏まえ、妊婦検診行いキャリアの保有者であれば母乳で育てなければほとんどウィルス感染が起こらないといわれていることから国が全国的に取り組むべきとの申し入れを受けたと報告。難病指定、特定疾患指定がされていないことについても視野に入れるべき、政府としても対応すべきとの声があったと伝えた。
仙谷長官は、政府としてはこれまでの経緯もあり、厚労省を超えた内閣の小川勝也総理補佐官をリーダーとする特命チームを設置、精力的に分析、検討させていく考えを明示。何より日本全体、国民に対しウィルスやその治療をしている方々の存在、妊婦検診でチェックすべきとの啓発活動を行うとともに、医療機関、保健所にも多く知ってもらい国民全体として取り組む機運をつくりたいとした。
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