■仙谷由人官房長官会見■
「日米の信頼関係が一つずつ積み上がっている」と日米首脳会談の意義を語る
仙谷由人官房長官は24日午前、首相官邸内で閣議後に記者会見を行い、閣議の概要等について報告。閣議では一般案件として「平成22年度経済危機対応地域活性化予備費使用にあたって」他2件と、政令人事案件、内閣府の人事案件として9月27日付けで内閣府共生社会政策担当政策統括官に厚生労働省大臣官房付、村木厚子氏を充てることを決定したと述べた。
また、中国河北省石家荘市の国家安全局が、同省内の軍事管理区域に侵入し、不法にビデオ撮影していたとして、日本人4人を取り調べているとの報道について仙谷官房長官は、詳細については現在中国大使館を通じて確認中だと説明。4人は準大手ゼネコンのフジタの社員であることが明らかになったとも述べた。さらに、中国政府からの通報では、軍事施設保護法および刑事訴訟法に基づいて石家荘市において居住監視を受けているとの内容であり、適応法令に照らせば沖縄・尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件との関連はないと現時点での見解を示した。
さらに、この衝突事件をめぐり、23日に行われた日米外相会談の際にクリントン米国務長官が尖閣諸島は日米安全保障条約の適用対象になるとの考えを示したとされる件については、「日米安保条約締結時点からの当然の前提だと考えている」と述べた。
中国の複数の税関で、レアアースの対日輸出の禁止の報道については、「報道は承知している」と述べたうえで、「事実関係をできるだけ早く把握したい。事実が確認できたら適切に対応したい」とコメント。「日本向けのみならず全般的に縮小削減との報道はこの間耳にしているが、それがここへきて何らかの変更変動があったのかをまずは把握しなければならない」とした。
同日午後の会見で仙谷長官は、菅直人総理(代表)が26日の日曜日に東京都青梅市内の病院を視察し、医療介護職員の研修人事体制や介護職員の業務内容、高齢者医療ケアのあり方について、病院で働く関係者の方々と意見交換を行う予定であることを報告した。
また同日、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で勾留中の中国人船長を那覇地検が、「日中関係を考慮すると、これ以上被疑者の身柄の拘束を継続して捜査を続けることは相当でない」との理由で処分保留で釈放すると発表したことに対して、「法務省を通じて那覇地検から、刑事事件として刑事訴訟法248条の意を介して、身柄を釈放するという処分保留という判断に到達したとの報告を受けた」と検察の総合的な判断で保釈したとの認識を表したうえで、「それはそれとして了としている」との考えを示した。
最後に同日、米国・ニューヨークで国連総会出席中の菅直人総理(代表)とオバマ米国大統領との間で行われた日米首脳会談の意義について問われた仙谷長官は、「日米同盟がアジア・太平洋の安定と世界平和には重要であり、具体的な協調関係、テロ、核不拡散、気候変動、グリーンニューディールなどに協働して取り組んでいくことを確認する」と期待感を表すとともに、「日米の信頼関係が一つずつ積み上がっていることが日米首脳会談の成果である」と胸を張った。
|