山口壯政策調査会筆頭副会長は、12日午前の衆議院予算委員会で質問に立ち、「これからの中長期的な日本の経済のあり方を考える時、世界の人・物・金をどうやって日本に呼び込めるか。そのためには本当の意味で 日本が国を開いて、魅力的な国になれるかどうかが鍵であり、そのようにしていくことが政治の役割だ」と主張した。
まず、山口議員は、11月にAPEC首脳会議に議長国としての臨むに当たっての基本的な心構えについて菅直人総理大臣に問うた。菅総理は、「国内の問題をしっかりと取り組むことが、ここ5〜10年の間、必ずしも十分ではなかったので、しっかりとした議論が必要だ」としたうえで、「アジア太平洋の地域、特にアジアが世界の成長センターになっている中で、それらの国々が基本的に自由貿易という方向の中で、よりともに発展していく、そういうルール作りに向け、APEC場が、それぞ れの国にプラスになるような方向で議論を進めていきたい」との意欲を示した。
さらに、「国を開く」ために、政府はどのように取り組んでいるのかと質問し、玄葉光一郎国家戦略担当大臣は、「アジアにおけるヒト・モノ・カネの流れを倍増させなければならない。特に、包括的経済連携について 今年の秋までに基本方針を策定する。同時に、2020年までにアジア・太平洋地域に自由貿易園をつくるという基本的な方向を考えている」 と答弁した。
また、海江田万里経済財政政策担当大臣は、「観光地などでの案内表示など日本の言語の問題があるので、言語バリアフリー化に力を入れていくのが今度の課題。また、アジア諸国から日本に高度な先端医療を求め、 やってくる人々がいるが滞在ビザの問題もあるので、医療滞在ビザ(仮称)等をつくり改善していきたい」と答弁し、「緊急経済対策はスピードが命なので、早急に作業し、国会でも(法案)をあげてほしい」と協力を求めた。
更に、菅総理も「いろいろな意味で内向き思考が強まっている。社会全体が、もっと元気な日本が自分たちが頑張ればできるんだという共有化できるいろいろな活動が必要」とし、「具体的に、小中学校の英語教育な どで、必ずしも(英語での)会話ができない人も多い。思い切ってこういう人たちを海外留学し、基礎的なレベルも引き上げていくことも検討 してもいい」と一つの事例として紹介した。
山口議員は最後に「韓国や中国にはPh.D.(博士号)を持っている人が多い。我々の教育も世界に通用するにはどうしたらいいか、長期的に考えていく必要がある」と指摘し、「国会議員が坂本龍馬になったつもりで、開国に向け、命をかけ、取り組もう。他党の皆さんにも我々の尻を叩いてもらい、開国のあり方が手ぬるいではないかというお叱りをむしろいただきたい。新たな繁栄を目指し、みんなで頑張ろう」と 質問を締めくくった。
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