参議院予算委員会で総括質疑方式(総理以下全閣僚出席)での質疑が14日行われ、民主党・新緑風会のトップ・バッターとして一川保夫参院政審会長(政調会長代理)が質問に立った。
一川議員は、総理に決意を質したほか、補正予算、郵政見直し、外交政策について質問した。
まず、一川議員は、6月に就任以来、参院選、民主党代表選を経て、重点を置く政策が変わったかのを質した。菅直人総理は、「参院選は原点を忘れるな、『国民の生活が第一。』との基本を忘れるなとの国民からの叱咤だったと思う。菅内閣本格稼働の時期」としたうえで、経済成長、財政再建、社会保障改革が基本であることは変わりないとした。
また、一川議員は、日本には素晴らしい自然環境、人材、技術力があるとして、これに磨きをかけるべきだと主張した。菅総理は、「全く同感」と表明し「頑張りたい」と答えた。
さらに、一川議員は、「日本のどこに住んでいても『政府はその土地の人を思っていてくれている』とそう感じさせる政治を行うべき」と主張した。
次に、補正予算の狙いを海江田万里経済財政政策担当大臣に質した。海江田大臣は「地域の活性化」と答えた。さらに、参議院での与野党の勢力を考えれば、野党の意見も取り入れ、協力が不可欠だとして一川議員は、 玄葉光一郎国家戦略担当大臣(民主党政調会長)にこれまでの経過と考え方を質した。玄葉大臣は、野党5党の考えを参考に経済対策、民主党の考え方をまとめたことを説明し、「野党の皆様のご協力をお願いしたい」と答えた。
また、一川議員は、来年度の当初予算に関する考えを野田佳彦財務大臣に質した。野田大臣は、「生きたお金の使い方をしていく」とその基本方針を明らかにした。
郵政民営化見直しについても質問。自見庄三郎郵政改革担当大臣は、再国有化ではないと明言したうえで、「郵政事業のユニバーサルサービスを維持すること」と答えた。
次に、一川議員は、成田、羽田両空港の国際線発着枠増加について触れ、こうした発展が地方の空港にも波及する政策を求めた。馬淵澄夫国土交通大臣は、「オープンスカイ方式では、地方の空港も路線開設が自由な る。開かれた日本となる」として、今後もオープンスカイ方式を進めるとした。
また、11月の予定されている日米首脳会談について、そのポイントを質した。菅総理は安保、経済、文化・人材の交流の3点を挙げ、その深化を図りたいと答えた。
最後に、一川議員は、北澤俊美防衛大臣に、武器輸出3原則の見直しについて質した。北澤大臣は、「(3原則は)平和国家日本の崇高な理念。その精神は押さえ、運用面で検討」と答え、さらに、「武器を売りつけることはない」と明言した。
|