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2010/10/15
【参院予算委】「林業再生」「外国資本の土地取引」「地籍調査の必要性」等の問題提起 行田議員
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 参議院予算委員会で15日午後、行田邦子議員が質問に立ち、「林業再生策」「外国資本の土地取引の問題」「地籍調査の必要性」「レアアース」「新卒者雇用対策」等について、菅直人総理はじめ関係大臣の認識を質した。

 冒頭、「残念ながら今の林業は元気がない」との認識を示した行田議員は、木材の自給率は昭和40年度に71.4%であったが現在は27.8%にまで落ち込んでいると指摘。一方で供給源となる人工林の蓄積は4.8倍である実態を明かし、「日本には伐るべき木がある、使うべき木があるにもかかわらず木材の4分の3を輸入に頼っている状態だ」と問題視。同時に行田議員は、雇用創出には林業の再生が不可欠だとして菅総理の認識を質した。

 菅総理は新成長戦略のなかでも林業再生による雇用創出を盛り込んでいると語るとともに、7割以上の材木を海外に依存している実態について「まさに林業が業として成り立っていない現状がある」との見解を示し、戦後放置されている木材も活用する林業再生の好機だとして林業再生に向けた努力を総合的に進めていくと表明した。

 09年マニフェストにおいて林業による100万人の雇用創出を民主党がうたっていることを踏まえて行田議員は、その具体策を質問。鹿野道彦農林水産大臣は生産性向上にむけた林道の整備、間伐の推進、間伐材の利用促進、輸送増、販売促進などに伴う雇用増をめざすとし、「100万人の雇用を生み出す、新しい成長戦略の核になる」とも語った。行田議員は地産地消の重要性も指摘し、菅総理も同様の認識を示し、安定供給に向けても地産地消の流れを確立していくとの方向性を示した。

 続いて行田議員は外国人、外国資本による土地取引の問題を取り上げ、現行法では何ら規制するものはなく、売買されてはじめて実態把握が可能になる現状について問題視。同時に所管省庁すらない現状に憂慮を示した。極端な話では自衛隊基地の隣接地や尖閣諸島を外国人が買い取ることも可能である現状を明かし、認可制・許可制にするなど外国人・外国企業による土地取得への規制が不可欠だと指摘した。柳田稔法務大臣は他省庁ともつめたうえで「検討させていただく」と答弁。菅総理も「(担当省庁に)勉強させてひとつの考え方をまとめてみたい」と前向きな姿勢を示した。

 行田議員はまた、地籍調査の推進は雇用創出にも繋がると提起し、馬淵澄夫国土交通大臣は「調査のなかの8割は人件費」であると明かし、地籍調査の推進は「雇用の吸収につながるまさに一石二鳥、さらには境界の策定によって新たな都市再生、森林開発を含めた経済の活性化に繋がり、まさに一石三鳥の施策だ」と答弁。菅総理は「大変な慧眼、いい提案。積極的にうけとめ、関係省庁に指示をしたい」と語った。さらに海江田万里経済財政政策担当大臣は、今回の補正予算、総合緊急経済対策にも盛り込まれているとして、「まもなく形が出てくる」とし、政府としての前向に取り組むとした。

 行田議員は次に、中国によるレアアース輸出制限を受けて、パソコンや携帯電話、電気自動車などに使われ、日本の産業、日本企業が誇る高度技術に欠かせないことを再認識したと説明。そのうえで行田議員は、レアアースの安定確保、日本企業のもつ技術、技術者を守り育てていくことに国として取り組むよう求めた。それを受けて菅総理も「全力をあげていきたい」と力説した。

 続いて、深刻な就職難にあえぐ新卒者に対する雇用支援の重要性を行田議員は提示。菅総理は(1)新たな雇用創出(2)海外進出を踏みとどまらせるような企業支援(3)就労希望者と企業をつなぐミスマッチ解消施策――などの3つの展開からの支援を行っていく考えを表明した。

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