参議院予算委員会で、経済・財政、外交・防衛に関する集中審議が25日午後行われ、川上義博議員がトップバッターとして質問に立ち、日銀の金融緩和政策、財政出動一体となったデフレ脱却政策を求めた。
冒頭、川上議員は、奄美大島での豪雨被害への対応を質した。菅直人総理は、「政府一体となって復旧、道路、ライフライン、生活再建に取り組んでいく」と答えた。
さらに、川上議員は、日米安保条約改定から50年の今年、共同宣言の文書化を行うのかどうかを質問した。前原誠司外務大臣は、11月のAPECに合わせオバマ米大統領が来日し、そこで両首脳による日米同盟深化の合意を目指して、さまざまな交渉をしているが、共同宣言を前提としているわけではないと答えた。菅総理も「何らかの発表はできる」と答えた。
次に武器輸出3原則の見直しについて、川上議員は、一部で閣内不統一の意見もあるとして見解を質した。北澤俊美防衛大臣は、平和国家としての基本理念として武器輸出3原則は堅持するとしたうえで、「防衛大綱の見直しのこの時期に検討する」と答え、運用面で国際協力活動などに悪影響がないようにしていくとの考えを明らかにした。
さらに、尖閣諸島への上陸問題に触れ、沖縄県石垣市が固定資産の実測調査のために上陸を要請しているが、どう対処するのかを質問した。仙谷由人官房長官は、尖閣諸島は持ち主から国が借りているもので、上陸を認めないのは所有者の意思だとしたうえで、実地調査の申請については検討中と答弁した。
また、川上議員はTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への決意を総理に質した。菅総理は、「交渉への参加を含めて、検討する必要はある」と答えた。川上議員は、農業への悪影響に考慮するよう求めた。
最後に、川上議員は、地方交付税について、地方の疲弊を踏まえ財源を確保するよう求めた。片山善博総務大臣は、毎年、交付税を巡り討論しなくても済むように、ルール化、透明化することが大切であると答えた。
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