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2010/11/05
支給対象校の指定に関する規程決定について
――朝鮮学校を高等学校等就学支援金の対象とするか否か――
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 木義明文部科学大臣は5日、3月に成立した「高校無償化法」(公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律)に基づく高等学校等就学支援金制度(私立高校対象)の対象に、いわゆる朝鮮学校の生徒を含めるかどうかを判定する「基準」について、「外国人学校の指定に関する規程」を決定し、発表した。高校授業料の無償化は民主党の「09マニフェスト」の大きな柱の一つだが、朝鮮学校の生徒を含めるか否かについて、党内外に賛成・反対の両論があったのは事実である。

 民主党広報委員会では、説明のための資料を政策調査会文部科学部門と共同で以下の通り作成した。

支給対象校の指定に関する規程決定について
――朝鮮学校を高等学校等就学支援金の対象とするか否か――

「規程」は、申請があった場合の審査の基準や手続きを決めたものです。

 今回の「規程決定」で、自動的に「朝鮮学校の生徒への支給」が決まった訳ではありません。事実上、も決まっていません。申請に対して厳格に審査をおこなった上で、指定するか否かを判断するからです。「規程」の基準を満たさないために申請を留保する場合もあるでしょうし、申請後の審査で、規程の決定に伴う「大臣談話」で説明されたように、「留意すべき事項」がある場合にはそれを学校に通知し、「自主的改善を強く促すとともに、対応状況についての報告」を求めることにしています。


<B>朝鮮学校で反日的な教育がおこなわれていること、支援金が生徒の授業料に充当されないのではないかとの懸念があること、等に対応した規程になっています。

 高校無償化法の成立を受けて、私立高校、専修学校高等課程、多くの外国人学校の生徒には就学支援金の支給が開始されましたが、朝鮮学校は外交ルートや国際的な学校評価団体で「高等学校の課程に類する」ことが確認できないため、指定はしていません。そして指定の適否を決める基準を検討するための有識者の会議を設けて、結果である「指定に関する基準等について」の考え方が8月30日に報告されました。

 その内容を政調の文部科学・内閣部門合同会議等で議論し、党の「見解」をまとめて、10月22日に政調会長から文部科学大臣に提出しました。その概要は、「基準等を概ね了とする」ものの、@教育内容には反日的な思想教育もあり注意が必要、A学校への助成でなく生徒の授業料に充てられることを学校経理の透明化等を通じて確認できる必要がある、B上記を担保する方法に留意した審査手続きを行う必要がある、C基準の決定に際しては、検討会議での議論について出来る限り公表すべき、としたものです。併せて「大臣は内外に、また賛成派にも反対派にも分かる形で説明すべき」と求めました。

 5日に発表された「規程」と「大臣談話」は、この民主党の見解を反映したものになりました。末尾に「大臣談話」を抄録しますので、ご覧いただければ、その点をご理解いただけると思います。


 朝鮮学校の生徒への就学支援金の支給については、上記の懸念の他にも批判が寄せられていますが、誤解や法律の制約をご存知ない為と思われるものもあります。その何点かについて、Q&A式にまとめてみました。

就学支援金は個々の生徒の「学び」への支援であり、学校への支援ではありません。

 高等学校等就学支援金は、生徒個人に対して、その授業料負担の軽減を目的とした支援金であり、学校への補助ではありません。学校は生徒に代わって「代理受領」しますが、その支援金は生徒の授業料に充てられるものであり、学校が他の用途に使用することは出来ません。したがって支援金が授業料に確実に充当されていることを明らかにする財産目録、賃貸対照表、収支決算書等の会計書類の提出を求めますが、仮に流用や転用の事実が判明した場合には、指定の取消しや、場合によっては刑事告発も含めて対応することとなっています。

就学支援金を受けたいなら日本の高校や専修学校になれ、と言うのは法的に無理。

 朝鮮学校が専修学校になればいいという意見は、「学校教育法」第124条が外国人学校は専修学校になることができないと規定しているので、現実的でありません。また、日本の高校になればいいという意見は、アメリカン・スクールやインターナショナル・スクールなどにも日本の高校と同じ教育内容の実施を求めるようなものであり、国際的にも明らかに不適切です。

朝鮮学校は「北朝鮮の学校」でなく、日本の学校教育法上の教育機関です。

 朝鮮学校は「学校教育法」に基づく各種学校であり、全て学校法人又は準学校法人として都道府県知事の認可を受け、その監督を受けており、既に我が国の学校教育体系に入っています。生徒たちは韓国籍が最も多く、日本国籍を取得している場合もあります(東京朝鮮学校は韓国籍55%、朝鮮籍43%、日本国籍2%)。したがって「北朝鮮のための学校」というのは必ずしも事実ではありません。しかも、ほとんどが日本に生まれ育ち、将来も日本で生活し、仕事をする割合が高いと思われます。戦前に朝鮮半島から内地に移り、そのまま戦後も定住した人やその子孫などを対象に、特別な措置を取ってきた歴史的な経緯についても十分認識することが必要です。

 また、「朝鮮総連を通じて北朝鮮を支援することになる」との意見もありますが、だからこそ、経理の透明化を求めているのです。

地方では永年にわたり朝鮮学校へ公的支援を続け、各種学校として定着しています。

 朝鮮学校は「学校教育法」上の各種学校として都道府県知事の認可を受けているだけでなく、税制上の優遇措置や、長期にわたり継続的に補助金を受けている現実があります。助成開始が最も早かった東京都の場合は昭和30年頃、大阪府でも同49年から30年以上も続いています。また、朝鮮学校は各種の体育大会への出場や日本の高校生との対話集会の開催、地域の祭への参加等を通じて地域社会と交流しており、各地において定着しつつあるといえますので、その事実を見過ごして就学支援金のみを批判することは適当といえません。

教育内容に介入することは、法律上、また他の学校とのバランス上、困難です。

 朝鮮学校で使用されている教材の中に、政府の見解と大きく異なるだけでなく、国際社会の認識に照らしても不適切な、偏向した記述も見受けられます。このため、今回の規程は、指定の際に「留意すべき事項」として、内容を通知するものとしています。「大臣談話」では、例えば、我が国の政治・経済の教科書を教材の一つとするなど、懸念される実態についての自主的改善を強く促すとともに、対応状況について報告を求めるとしています。

 指定の条件とすべきとの意見もありますが、「私立学校法」第5条及び64条により、私立の高校や専修学校、各種学校については、所管の知事ですら教育内容の変更を命ずることはできないとされています。私立の各種学校である朝鮮学校にのみ、教育内容の是正を求めることは私立学校の自主性を重んじる各種法令に違反することになってしまいます。

 インターナショナル・スクールや中華学校、韓国学校など、他の外国人学校で使用している教材の内容についても、我が国の教科書の記述とは異なり、政府の見解・認識と同じでない部分がありますが、それらに対し文部科学大臣が是正を強いることは慎重に対応しなくてはなりません。

拉致問題等については、民主党政権として今後も厳しく対応します。

 拉致問題や核開発問題などへの対応を絡めて、就学支援金の規程を論じることは必ずしも適当とはいえません。この就学支援金は生徒個人への支給であり、学校や北朝鮮に対する支援ではないからです。

 北朝鮮を巡る諸問題については、六ヵ国協議を始め、あらゆる場を通じて厳正に対処することは当然であり、民主党は今後とも、党を挙げて取り組んでいきます。



文部科学大臣談話(抄録)

 前文……略

(高等学校等就学支援金制度の趣旨)
 高等学校等就学支援金制度は、全ての意志ある後期中等教育段階にある生徒の学びを保障し、家庭の状況にかかわらず、安心して勉学に打ち込める社会をつくるため、公立高等学校の授業料無償制とともに実施することとしたものです。このため、私立高等学校等に学ぶ生徒のみならず、専修学校及び各種学校のうち「高等学校の課程に類する課程」に学ぶ生徒も広くその対象としています。
 もとより、就学支援金は学校に支給されるものではなく、生徒個人個人に対して支給されるものです。また、国籍を問わず、我が国において後期中等教育段階の学びに励んでいる生徒を等しく支援することは、教育についてのすべての者の権利を謳っている国際人権A規約の精神にも沿うものと考えます。

(本規程の就学支援金制度における位置づけ)
 公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律施行規則(以下「省令」)第1条においては、専修学校のうち「高等学校の課程に類する課程」として、学校教育法第125条に基づき中学校における教育の基礎の上に教育を行うこととされており、後期中等教育としての法制上の位置づけが明確な専修学校高等課程で学ぶ生徒が対象となっております。
 また、各種学校のうち、学校教育法第124条により専修学校になることができないことから各種学校となっている外国人学校でも、日本国籍を持つ生徒も含め多くの生徒たちが、後期中等教育段階の学びを行っていることから、制度の対象となっております。
 後期中等教育の判断にあたっては、各種学校である外国人学校について、制度的・客観的に「高等学校の課程に類する」かどうかにより判断することとし、まず、省令第1条第1項第2号において、
(イ)大使館を通じて日本の高等学校の課程に相当する課程であること  が確認できるもの(ドイツ学校、韓国学校等の民族系外国人学校)、
(ロ)国際的に実績のある学校評価団体の認証を受けていることが確認  できるもの(インターナショナル・スクール)、
について制度の対象とすることとし、本年4月1日に施行しています。
 しかし、これらの方法では確認できない、後期中等教育に相当する外国人学校が存在し得ると考えられることから、同号において、(イ)(ロ)に加え、
(ハ)文部科学大臣が定めるところにより、高等学校の課程に類する課程を置くものと認められるものとして、文部科学大臣が指定したもの、
と規定し、これらについても制度の対象としております。
 今回決定いたしました規程は、この(ハ)にある「高等学校の課程に類する課程を置くもの」として指定する際の基準や手続等を定めたものです。

(検討の経緯)……略

(規程の内容)
 本規程は、このような経緯を踏まえ、専修学校高等課程の設置基準をベースに、修業年限を3年以上とし、各学校の年間指導計画などにより「高等学校の課程に類する課程」であるかどうかを制度的・客観的に判断することとしました。
 なお、就学支援金の支給にあたって、確実に生徒の授業料に充当されることを確保するため、検討会議報告において指定後の定期的な提出資料として求められていたものに加え、就学支援金が授業料債権の弁済に確実に充当されることを明らかにする資料の提出を求めることとしました。また、3年ごととされていた資料の提出を毎年求めることとし、各学校が基準を満たしているかどうかを毎年確認することとしました。

(今後の審査について)
 今後、本規程に基づき、対象校の審査を行うことになりますが、学校教育法に定める各種学校である、朝鮮高級学校の申請が見込まれます。
 朝鮮高級学校は、韓国籍、日本国籍を取得している者を含め、朝鮮半島出身者の子弟が学ぶ各種学校としての歴史を有しており、当該学校を認可した都道府県において、多年にわたり、学校教育法等に基づき指導・監督が行われ、助成金も長期にわたって支出されてきました。
 しかしながら、朝鮮高級学校において、我が国や国際社会における一般的認識及び政府見解とは異なる教育が一部行われているとの指摘があります。一方、私学の自主性を重んじる私立学校法第64条等の趣旨を尊重すべきとの指摘等があります。そうした指摘を真摯に受け止め、本規程に、文部科学大臣は、指定に際し留意すべき事項がある場合には、その内容を各学校に通知することができる旨規定いたしました。主たる教材の記述など各教科の具体的な教育内容について懸念される実態がある場合には、本支援金制度の趣旨を踏まえ、我が国社会や国際社会の担い手として活躍できる人材の育成を目指すことを留意すべき事項として付し、例えば、我が国の高等学校の政治・経済の教科書を教材の一つとするなど、懸念される実態についての自主的改善を強く促すとともに、対応状況についての報告を求めていきたいと考えております。
 
 後文……略

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