参議院予算委員会17日午後、「外交・防衛」問題の集中審議が行われ、中谷智司議員が質疑に立った。
中谷議員はAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の成果について、菅直人総理(代表)に問い、菅総理は「APECは、存在そのものが、従来よりも大きな意義を持っており、2010年に、先進国・地域がどこまでの貿易自由化ができるかという一つのチェックポイントの時期になっていた」とし、今回のAPECでは、「顕著に貿易自由化の方向が進んだことを互いに確認し合い、これから先の経済連携に向い方向性を出して行く『横浜ビジョン』を採決することができた」と答弁した。
そのうえで、「(「横浜ビジョン」で、)特に、長期的かつ包括的に成長戦略を取りまとめたことは、大きい意味を持ち、今回のAPECは、歴史の1ページを飾る結果を生み出した」と、その成果を改めて報告した。
また、菅総理はAPEC開催期間中の菅総理の各国との二国間の首脳会議について7カ国の首脳との会談を行ったとし、日米首脳会談に関しては、 「オバマ大統領とは、(自分が)就任して3度目の首脳会談を行った。日米同盟を進化させていくために、(オバマ大統領から)来年前半に訪米要請があり、訪米した際には21世紀の日米同盟のビジョンを共同声明の形で発出することで一致した」とし、アジアの情勢も含め日米同盟は新たな段階に進 む準備に入ったと報告した。
そのうえで、日中首脳会談については「今回は、日中の首脳がきちんと会談をし、改めて(私が)6月に就任した後に、胡錦濤主席と会談した際に確認した戦略的互恵関係を進めていくという原点に戻ることを確認し、その意味では大変大きな意味があった」とし、今後、政府間、民間交流の促進、経済分野を含むグローバルな分野での協力を強化することで同意したと非常に有意義な階段であったことを報告した。
さらに、中谷議員は尖閣諸島での衝突事故の映像記録の流出について仙谷由人官房長官に質問した。
仙谷長官は、「今回流出した映像記録の元となった海上保安庁が記録した映像記録は、中国漁船長による公務執行妨害事件についての訴訟に関する書類であり、その流出について現在、捜査当局が国家公務員法違反被疑事件で捜査を進めている」と説明した。そのうえで、「映像記録の取扱いについては、国会から所定の手続きによる要求があれば、捜査の時期や捜査の進捗状況、捜査の段階等を踏まえ、適切な判断がなされるものと考えている」との 見解を示した。
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