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2010/11/18
【参院予算委】農業の在り方を考えながら「開かれた日本」を同時につくらなければならない 水戸議員
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 参議院予算委員会で総括質疑方式(総理以下全閣僚出席)での質疑が18日行われ、民主党・新緑風会の水戸将史議員が質疑に立ち、自由貿易構想、法人税に関する考え方について菅直人総理(代表)をはじめ関係閣僚の見解を質した。

 水戸議員ははじめに、今回議長国としてアジア太平洋経済協力(APEC)に臨んだ感想を質問。菅総理は、大変画期的な大きな成果を得る「横浜ビジョンまとめることができた」と述べ、(1)世界の成長センターであるアジア太平洋地域をさらに成長を持続させていこうという方向で一致、その道筋を打ち出すことができた、(2)経済連携の基本方針を閣議決定したことがAPECの議論を促進させることにもなり、日本の貿易の自由化と農業の再生を両立させて進める、日本もアジア太平洋のFTAAP実現のため先頭を走るということを内外に示すことができた――とその成果を強調した。

 水戸議員は、1996年に日本が提唱した「東アジア包括的経済連携構想」ASEAN+6(CEPEA)など、「環太平洋パートナシップ協定(TPP)」交渉等への参加検討に至るまでの流れを振り返りながら、昨年末に閣議決定した新成長戦略の柱の一つとして盛り込んだ「2020年までのFTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)構築」実現に向けた手立てについて、前原誠司外務大臣の考えを訊ねた。

 前原外務大臣は、「来年のAPEハワイ会議までに一定の方向性を出そうと鋭意努力していく」と表明。WTOドーハ・ラウンドにも触れながら、「あらゆるかたちでの経済統合と世界全体の貿易の自由化をすべて底上げしていくなかで日本の持てる力を発揮するような経済環境にしていくというのが今の日本の目的であり、それが書かれているのが成長戦略」と述べた。

 そのうえで水戸議員は、農業を育成する立場として、一連の自由貿易構想の流れに関して所管大臣としての基本的な考え方などを鹿野道彦農林水産大臣に質問。

 鹿野道彦農林水産大臣は、閣議決定した包括的経済連携基本方針のなかで示された「経済連携を処していく。一方で国内の農業農村の振興、自給率の向上を図っていく、両立していく」という考え方に沿って対処していきたいと答えた。

 水戸議員は、農業のより一層の成長に向けては農地流動化し集約化、規模拡大し、生産性の拡大図ること必要だと指摘。農業の在り方を考えながら「開かれた日本」を同時につくらなければならないと主張した。

 次に、法人税の5%減税が取りざたされているとして、これを採用することによる効果を大畠経済産業大臣に訊ねた。

 大畠章宏経済産業大臣は、「経産省として検討した効果、2013年度位には14.4兆円程度GDPを引き上げる効果があるとのこと。日本の経済に大きなプラスの影響与えると考える」と答弁。

 水戸議員は、法人税減税については経済産業省、財務省とではそれぞれ言い分があると指摘。野田佳彦財務大臣に対し、経済産業省が主張する法人税減税による効果についての所感を求めた。

 野田財務大臣は、国内の雇用や設備投資の増加に本当に効果があるのか、我が国企業の海外進出の抑制に効果があるのか、海外企業のわが国への立地に効果があるのかどうかなど検証しているところだと説明。法人税引き下げによる経済効果試算については「大きく見積もられ過ぎているのではないかと指摘している」答えた。また、減税する場合には、課税ベースを広げ、財源を確保するという一定のルールに基づき議論していると述べ、繰越欠損金制度の見直しも検討しているとした。

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