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2010/11/12
「新しい公共」調査会 市民公益税制に係る重点事項について
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1.はじめに

○当調査会においては、「新しい公共」の取組を進める立場から、これまで、平成23年度税制改正における市民公益税制の改革について、精力的に検討。(これまで、調査会総会を3回のほか、役員会でのヒアリング、事務局打合せを適宜実施)

○政府の「新しい公共」円卓会議及び税制調査会・市民公益税制PTにおいて提案された一連の寄附税制の改革は、国民一人ひとりが寄附という形式により「新しい公共」の担い手を選ぶことを通じて、自らの意思で「公(おおやけ)」に参加する仕組みを構築する上で、画期的な意義を有しているものと評価。

○当調査会としても、真に「国民が自ら決める社会」、すなわち「新しい民主主義」の実現に向けて、これらの提案に沿って寄附税制の改革が具体化することを強く期待。その実現に当たり、特に重視する事項について取りまとめたので、以下のとおり提言する。

○政府は、以下の提言に沿って、関係団体との協議を進めるとともに、税法、新法など必要な法案の準備を早急に行い、次期通常国会において、市民公益税制を実現させることを目指すべき。

2.重点事項

(1)NPO法人に係る寄附税制

○税額控除の導入
 ・認定NPO法人に対する寄附について、税額控除を導入し、所得控除との選択制とすること。また、平成23年1月から遡及適用すること。

○PST(パブリック・サポート・テスト)要件の見直し
・PST要件について、寄附金額及び寄附者の絶対値で判断する基準を新たに設け、その具体的な金額及び人数については、年3,000円以上の寄附者が年100人以上とすること。
・現行において特例措置として認められている、基準値を5分の1以上とする措置を恒久化すること。
・地域における固有の事情が反映できるよう、地方公共団体が、個人住民税の寄附金控除の適用対象として条例に基づき個別に指定した法人については、PST要件等を求めないものとすること。
・上記の措置は、平成23年4月から導入すること。なお、その際、認定の有無に関わらず、NPO法人は、公益の増進の寄与を主目的として活動を行っていることについて、関係者に対し、改めて十分な周知を図ること。

○「仮認定」の導入
 ・NPO法人のスタートアップを支援するため、PST要件を満たさずとも認定を受けられる「仮認定」制度を新たな認定制度の枠組みの中で創設すること。(この場合、施行時期については、認定主体の変更時期に合わせること)

○情報開示の促進
 ・NPO法人の情報開示が促進され、市民がより適切な寄附先を選択できるよう、必要な環境の整備を行うこと。

○事後チェック・ペナルティの充実
 ・税額控除の導入、「仮認定」の導入等を行うことに対応して、要件を満たさない場合や、法令違反に対するペナルティ等を明確に定めることとすること。その際、NPO法人に対する一般的な規制強化を行うものではない点を明確にすること。

○認定主体の変更
 下記について、関係府省が一体となって、誠実かつ迅速に都道府県等と協議を行い、次期通常国会に提出する法案にできる限り具体的に盛り込むこと。
 ・「地域のことは地域に住む住民が自ら決める」との理念の下、認定NPO法人の認定に係る事務を国税庁長官から都道府県知事に移管すること。
 ・都道府県知事への認定事務の移管に当たっては、1の都道府県内のみに事務所が所在する法人の認定については当該都道府県知事が、2以上の都道府県にまたがって事務所が所在する法人の認定については主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事が行うこととすること。
 ・都道府県において、事務の受け入れ体制の整備等に時間が必要であることから、   都道府県におけるNPO法人の認定は、平成24年4月(P)から開始するものとし、それまでの間は、国税庁において引き続き現行の認定事務を行うものとすること。

(2)認定NPO法人以外の法人に対する寄附金税制
 ・認定NPO法人以外の法人に対する寄附についても、税額控除を導入すること。また、平成23年1月から遡及適用すること。
 ・上記の税額控除の適用対象となる法人の範囲については、公益社団法人・公益財団法人、学校法人、社会福祉法人など、現行制度において寄附金に対する所得控除の適用対象となっている特定公益増進法人を基本として、情報公開の充実等の要件を設けることについて検討すること。

(3)その他
○日本版「プランド・ギビング」信託の創設
 ・認定NPO法人や公益法人など、「新しい公共」の担い手に対し、信託のスキームを活用して行う寄附を促進するため、日本版プランド・ギビングを導入すること。

○寄附金控除の年末調整対象化
 ・寄附金控除の年末調整化については、源泉徴収義務者の負担や不正行為防止の必要性を踏まえ、源泉徴収義務者等の意見を聴取しつつ、実務的・技術的な観点から実施可能であるかどうかの検討を行うこと。

以 上

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