水島広子議員は17日、衆議院厚生労働委員会で健保法改正案等について質問に立ち、医療制度抜本改革への筋道と決意、「患者の権利法」制定の必要性などを坂口厚労相に質した。
水島議員はまず、小泉首相が厚生相当時に医療費の本人負担を1割から2割に引き上げた際、2000年までに医療制度の抜本改革を必ず行うと公約したことについて「予定から2年すぎても抜本改革は行われないまま、今度は2割から3割に引き上げるという。政治家の公約とはこれほども軽いものなのか。小泉首相の公約違反をどう総括しているのか」と坂口厚労相に厳しく質した。
これに対して坂口厚労相は、「今回、抜本改革案を同時に提出できなかったのは大変残念。抜本改革は、抜本的であるほど、税制など他の分野との関連も出てくるが、どこかが先鞭をつけなければ動かない。厚労省が先鞭をつけて動かすよう、責任を持ってやらせていただきたい」と述べた。
水島議員は、医療抜本改革の柱は、まず医療そのものが信頼されるものになることだとし、その前提として民主党が提出している「患者の権利法」の制定が必要と主張。坂口厚労相は、厚労省の最近の調査で、9割近い医療機関が「患者本人の申し出があればカルテなどの情報を開示する」と回答していることを紹介し、「法的に縛るのも一つの考えだが、できるなら医療機関の意思として進めていくことを期待する。それが進まないときには法律を考えなければいけないと思っている」と答弁。これに対して水島議員は、「すでに医療機関の意思まかせでは遅々として進まなかったと見ている人々もいる。ぜひ民主党の『患者の権利法案』を応援して欲しい」と訴えた。
水島議員はまた、「医師養成教育のあり方も重要」と述べ、04年度から始まる臨床研修制度の設計にあたり、形だけ米国をまねるのではなく、十分な数の指導医の配置、身体表現性障害などの患者への適切な対応能力の涵養が重要だと提言した。
後半、水島議員は、健保法と並行審議されている健康増進法改正案も取り上げた。「この法律の成り立ちや効果は疑問だが、一つだけ評価できるのは、公共施設での受動喫煙防止策を取り上げたことだ」との見方を示すとともに、法案付則でうたわれている5年後の見直しにあたっては、努力義務でなく義務規定とすることを視野に入れるべきではないかと厚労相の見解を質した。坂口厚労相は「努力いたします」と答弁した。
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