藤井裕久「税と社会保障の抜本改革調査会」会長、大串博志同事務局長は6日、首相官邸で、仙谷由人官房長官に「税と社会保障の抜本改革調査会『中間整理』」(下記ダウンロード参照)を手交した。野田佳彦財務大臣、玄葉光一郎国家戦略担当大臣、古川元久、福山哲郎両官房副長官、峰崎直樹内閣官房参与も同席した。
手交後、藤井会長は党本部で会見を行い、同調査会が10月に発足、大前提として(1)税金のムダづかい根絶を徹底するとともに、将来の社会保障の姿とその場合の国民負担を明らかにしたうえで、国民の判断を得なければならないという「原点に戻ること」、(2)社会保障の全体像としての骨格をつくること――を基本理念に据えたと説明。税制改正プロジェクトチームとは別に、もう少し長い目で「税と社会保障」という観点で議論してきたと述べた。
この「中間整理」では、社会保障を取り巻く社会・経済情勢が、制度が整備された1970年代から大きく変化しており、抜本的な改革が必要だと明記。その方向性としては、社会保障の水準を現在より引き上げ、現在の安心と将来への希望を抱ける豊かな社会保障分野を構築し、これをデフレ脱却を含めた経済成長に結び付けていくこと、社会保障分野に係わる巨大な潜在需要を顕在化させることによって、雇用を生み、デフレ脱却を含めた経済成長や財政健全化に結びつけることが目標だとし、個別の社会保障の課題と方向性として(1)サービス給付(医療・介護)、(2)現金給付(年金・生活保護)、(3)幅広い世代へのセーフティネット(子育て・雇用)の3点を列挙している。
藤井会長は、「経済・財政とも異常事態にあり、出生率は低下、地域・家族のセーフティネット機能が減退するなかで安心してもらえる社会保障でなければならないし、社会保障を充実することが経済成長に貢献するという考え方」だと指摘。社会保障を支える財源については、公のムダの排除と同時に国会議員の削減にも言及、税制全体で確保していくとした。消費税は特に重要だと位置づけ、これまで一般財政の穴埋めになっていたものから「社会保障の目的税化」すべきだと主張、会計上、法律上も社会保障にしか使えないようすべきとの考えを示した。
そのうえで藤井会長は、早急に政府与党で検討を行った上で国民的な議論に付し、党派を超えた議論を呼びかけていくとした。
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