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2010/12/07
【今日の官邸】菅総理(代表)記者ぶらさがり、仙谷官房長官会見




菅直人総理(代表)記者ぶらさがり
「慎重に対応したい」諫早干拓開門命令判決で記者団に

 菅直人総理(代表)は7日夜首相官邸で記者団の諫早干拓で潮受け堤防の開門を命令した福岡高裁判決についての質問に、「長い間取り組んできたのでいろいろな思い出が蘇り、感慨深い」としたうえで、「政府としての判決へ対応は慎重にしたい」と答えた。

 明日8日で菅内閣発足から半年となることへの質問に、「オープンスカイ、ベトナムでの原子力発電所建設受注、レアアース開発など多くの課題でかなりことが実現しつつある。しかし、それが国民に伝えきれていない。 私自身もこれから大いに伝えていきたい」と答えた。


仙谷由人官房長官会見
政府の情報保全体制検討へ 情報保全に関する検討委員会開く

 仙谷由人官房長官は7日午前、閣議後に官邸で記者会見を行い、(1)閣議および閣僚懇談会の概要、(2)閣議決定として近藤崇晴判事の後任に寺田逸郎氏が最高裁判所判事に任命されたこと、(3)政府における情報保全に関する検討委員会の開催について等を報告した。

 閣議では、菅直人総理(代表)、蓮舫行政刷新担当大臣から独立行政法人の事務事業の見直しの基本方針について、閣僚懇談会においては片山善博総務大臣から行政相談を受けたあっせんの実施および児童虐待の防止等に関する意識調査の結果について、鹿野道彦農林水産大臣から島根県における高病原性鳥インフルエンザへの対応状況についてそれぞれ発言があったと述べた。

 また、政府における情報保全に関する検討委員会は、先般、政府の情報保全体制への信頼が揺らぐような事態が発生し、菅総理(代表)から政府における情報保全に関し、早急に検討を進めるよう指示があったことから開催することとしたと説明。同日菅総理(代表)の決裁を得て、9日に第一回会合を開催予定だと明かした。同委員会は、政府における情報保全ついて、秘密保全に関する法制の在り方及び特に機密性の高い情報を政府機関の情報保全システムにおいて必要と考えられる措置について検討するもの。

 次に、国営諫早湾干拓事業(長崎県)に関する福岡高裁の判決において、1審通り原告の主張を認めて「堤防閉め切りによる漁業権の侵害は違法」と、国に5年間の排水門の開放を命じたことを受け、仙谷官房長官は政府としての見解を求められた。今年4月に開門の是非について政府と与党の意見をとりまとめた「諫早湾干拓事業検討委員会」の座長報告で「環境影響評価を行ったうえで開門調査を行うことが適当」と結論づけられたと述べ、「今回の判決も重く受け止めたうえで、開門調査の実施に向けてどのような条件整備が必要か、早急に検討する」とした。なお、判決に対する対応については、関係府省において判決内容を詳細に検討したうえで最高裁判所への上告を含めて検討を行い適切に対応していきたいとの考えを示した。

 これに関連し、民主党が野党時代に無駄な公共事業の典型だと自民党を批判したことについて問われると、強く主張していた13年前当時と開拓事業も潮受け堤防も完成してしまった現在とでは大きく状況が異なると指摘。「海の環境問題、できてしまったことによる防災上の問題、あるいは漁業者、農業者への影響、開門調査の要否、あるいは、どのような段取りでやったらいいのかというのは、改めて考えなければならない」と述べた。

 同日午後の会見で仙谷官房長官は、日米韓の外相会談についての質問に、「日米韓の強い連帯を確認した」として、会談で日米韓がそろって北朝鮮を非難し、また、中国、ロシアとの連携強化で一致したことを高く評価した。

 また、国家公務員制度改革で、労働基本権付与が検討課題となっていることについての質問に、労働基本権は団結権、交渉権、争議権の3権がそろわなければならないとしたうえで、職種、位階、個人のポジションによって制約されるのが公務員の職場だと解説。さらに、労働条件を人事院に任せ、当事者意識、使用者として意識を持たなかったことが、モラルハザードを生んだのではないかとの見解を示した。さらに、労働基本権を付与するということは、使用者であるとの意識をもった当事者をつ くることが表裏の関係で必要になり、その当事者は国会、国民に説明責任を強く求められることになるとの見解も示した。
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