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2010/12/12
農業再生のヒント、鍵を聞かせてもらい有意義だった 山形県庄内平野視察後に菅総理(代表)
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 菅直人総理(代表)は12日午前、山形県庄内平野での視察を終え、米袋が山と積み上げられた倉庫内で記者から感想と成果を問われ、「先週は千葉の野菜農家を視察し、野菜とお米は農業の大きな柱だが、少し事情が違うと思い、今日は米どころのこの山形県庄内に米のことを中心に視察にきた」とまず語った。

 そのうえで、米農家にとって、元気を取り戻すいくつかの鍵を聞かせてもらい、現場を見させてもらったとして、「ひとつの鍵はやはり大規模化だと思う」との考えを明示。同日の視察で見た、60メートル×300メートル、1・8ヘクタールに及ぶ大きな一枚の田んぼを取り上げ、5〜6カ所に分散してトータルとして同等の広さになる田んぼと比較した場合、非常に高い生産性を有していることを実感したとの感想を語った。それは「(農業従事者の)平均年齢がかなり高くなっている点からも、農地の集約化が、特に米に関してはひとつの大事な要素であることを改めて感じた」と述べた。

 また、戸別所得補償制度に関して、「この間いろいろと心配もあったが、11月に最初の支払いが行われ、比較的早い段階で支払われたことで、農家のなかに、ほっとしたというか、これで年を越す準備ができたという声もあったと聞き、これからの戸別所得補償のあり方についての、かなり前向きな意見を聞くことができた」とした。

 それに加えて、餅加工、農家民宿、自家製米でのおにぎり加工・販売をはじめ、民主党政権が着目する農業の6次産業化の、それぞれの実践例を見聞きすることができたことが大きな収穫だと総理(代表)は語った。同時に「もうひとつのポイントは、いろんな意味で自立して経営するという発想が非常に重要だという話を聞いた」と述べ、生産者であると同時に経営体として機能していくことの必要性に言及した。

 それらを語ったうえで菅総理(代表)は「いずれにしても今日の視察も含めて、農業再生本部の本部長としてしっかりと取り組みたい。また一方では経済の、いわゆる貿易の問題についてもかなり意欲的な声も出ていた」として、中国への米輸出を前にアンテナショップの展開を指摘する声があったことを紹介。「いずれにしてもいろいろな面から農業再生のヒント、鍵を、話し合いのなかで聞かせてもらい大変有意義であった」と語った。

 TPP交渉の出遅れの原因としてコメ市場の開放が進んでいないことを指摘する声もあるなか、改めてコメ市場の開放を辞さないという覚悟を国外に示す必要性は感じているかとの質問には、「TPPについては基本方針で述べたように、いろいろな情報収集も含めて、協議に参加するということで、TPPそのものの交渉参加ということについてはまだ決めているわけではない」と、これまでの一貫した考え方に基づきコメント。「農業の再生ということと、TPPに限らずFTA、EPAなどの貿易の自由化の推進との、つまりは農業の再生と開国との両立を今目指している。その両面で行っているので、今から順次それぞれの分野での努力が具体的な形であらわれてくると思っている」との認識を示した。

 TPPに関連して、米市場開放を求める声がある一方で、開放すれば国内農業は打撃をうけるという懸念の声が広がるなか、その懸念をどう解消するか問われ、「当然のことだが、日本の農業が壊滅するようなことになっては絶対にいけない。そうならないための施策をどうするかということをしっかりと取り組む」と表明し、同日の視察もその一環だとした。

 戸別所得補償制度の規模加算に関する問いには、「戸別所得補償制度は初年度で、いろいろな見方はあるが支払いが一部始まったなかで『おお、なかなかいじゃないか』という声も一部で出ている」と指摘。規模加算についてもいろいろな声があるが、鹿野農水大臣を中心に関係者で具体的な内容を検討している段階だとした。

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