菅直人総理(代表)は18日午後、那覇基地および普天間飛行場の視察後に嘉手納市の沖縄防衛局で記者会見し、2日間にわたる沖縄県訪問の目的や成果を語った。
冒頭、菅総理(代表)は、今回の視察には2つの目的があったと表明。1つ目は沖縄について自身の考え方を知事、特に県民の皆さんに伝えたいということであったと説明。さらにもう1つは沖縄の現状を基地問題と沖縄振興の観点からしっかりと自身の目で見たいということだったと述べ、その2つの目的について今回の沖縄訪問で実現することができたと成果を表した。
そのうえで菅総理(代表)は、「まだいろいろ(沖縄県民)と意見や見方の違いがあるなかで、丁寧にしっかりと議論を積み重ね、進めて行くことができるようになった」との見解を示し、誠心誠意沖縄の基地問題と振興策について取り組んで行く決意を強調した。
次に記者団から沖縄の基地の負担軽減についてどのようにリーダーシップを発揮して進めていくかとの問いに、「沖縄が本土に返還されてから以降においても沖縄の米軍基地があまり削減されていない経緯を見ても、大変忸怩(じくじ)たる思い、慙愧(ざんき)の念に耐えない」との考えを述べた。同時に、「日本の安全保障上、日米安全保障条約が不可欠であり、米軍基地の国内の存在が必要との観点からこの基地問題を全国民の課題として受け止めなければならない」とし、沖縄以外の46都道府県でともに考えて行かなければならないと語った。
また、来春に訪米を予定しているなかで、普天間基地問題の解決の進捗が日米同盟にとってどのように影響するかとの質問に、「日米関係、日米同盟がこの1年でより強まったと考えている」との認識を示し、先に行われたオバマ米国大統領との会談で安全保障、経済、文化・人的交流の3点で日米関係の深化を進めていくことで理解しあったことから、来年の訪米の際に何らかの共同声明を発表する構想を明かした。
そのうえで来春の訪米予定について菅総理(代表)は、「もっと幅広い日米関係の深化の大きな一歩にしたい」といっそうの深化に向けた積極的な意欲を見せた。
最後に菅総理(代表)は「沖縄という地理的条件を積極的に活かし、アジアの窓口としての貨物の物流やIT企業の活動など、最も日本で元気のいい地域であるということを実感した。政府としてもその認識の下、しっかりと沖縄の発展のために取り組んでいきたいと考える」と、視察を通じての新たな着目点を語った。
|