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2004/11/17
分権改革の基本方針について
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民主党は、既に2003年7月にとりまとめた「民主党の地方分権改革案についての中間報告―日本の潜在力を発揮させるために−」において、地方分権に対する基本的な考え方について、明らかにしている。その骨格は、18兆円の補助金を廃止し、これを5.5兆円の税源移譲と「まちづくり」「教育」「社会保障」「農業・環境」「地域経済」という大括りの5分野の一括交付金に改めるという大胆なものであり、この改革によってこの国のかたち・法体系を抜本的に改める真の構造改革を目指したものである。


この民主党案と地方6団体案との間に、内容において見解の相違があることは否定しない。たとえば、全体を2期に分けた上での第1期分であるとしても義務教育国庫負担金の廃止額に数字合わせの感はぬぐえない。しかし、その要因は政府が地方に提示したスキームにある。また権限移譲とは別に教育機会を確保する仕組みを担保することは別途検討の余地がある。財政調整制度についても、民主党は地方案と異なり制度の抜本的な改革を目指している。


本来の分権改革は地域主権の実現を前提に、国と地方の役割分担を整理した上で、国と地方の財政再建や税制・交付税制度の抜本的改革をも含めた改革の全体像に基づいて行われるべきものである。しかし、政府は改革全体の青写真も示さないままに根拠無き3兆円にこだわり、地方に無理難題を押しつけるばかりか、自らも3兆円と既得権益の狭間で混乱を極めている有様である。複数の補助金を束ねるだけの交付金化や補助率の引き下げは、中央省庁権限の温存であり、分権改革にむしろ逆行するものである。


このような状況の中で、地方6団体が政府の要請に基づき国庫補助負担金廃止の具体案を8月24日に政府に提出したこと、また地方6団体の提案により国と地方の協議の場において地方が具体的な行動を起こしていることについては、分権推進の重要成果として歓迎したい。何より、地域主権という方向性は民主党と軌を一にするものあり、その実現のために困難を乗り越えて統一案をまとめ上げた地方の努力を高く評価する。ここに至る経緯や地方の努力を踏まえ、同時に真の分権改革を推進し、地域主権を実現するための第一歩として、今回の6団体案は尊重されるべきである。

以 上

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