北澤俊美防衛大臣は23日昼、名古屋市栄・三越百貨店前で開催された同日告示の名古屋市長選挙、民主党推薦候補の出発式に参加。街頭には約600人の聴衆が集まり、「真の市民のための行政」を取り戻すための戦いに挑む、その熱気にあふれた。
出発式は古川元久前内閣官房副長官が司会を担当。大きな拍手に迎えられて北澤大臣は、議会生活40年のなかで国会議員、県会議員をちょうど半分ずつやってきた経験から、「地方は直接県民・市民が選ぶ首長・市長と、もう一つ、同じ市民が選ぶ市議会の二元制。この議会制民主主義、首長選挙の、二つの二元代表制をどう調和させていくかということが、首長に課された大きな課題」だと指摘。ややもすれば、市民の圧倒的な支持があるからといって、のりを越えて我を通そうとすれば、今日のような市長対市議会といった対立と混乱を生むことになると見方を示した。
そのうえで、「これを食い止め、正常なかたちにしないといけない。そもそも市長というのは、派手なものではなくて、地道にやっていかなければいけない存在」だとして、地道で行動力のあるリーダーこそが求められていると説いた。
出発式ではこれに先立ち元農林水産大臣の赤松広隆衆院議員、元経済産業大臣の直嶋正行参院議員が演説を行った。
赤松衆院議員は、「地方行政、政治というのは、真剣に、地に足をつけて多くの皆さんの声を聞きながら、市会議員の皆さんとも大いに議論しながらしっかりと地道に行うもの」だと主張。厳しい財政だからこそ本当に今やらなければならない、医療・福祉・教育・介護の分野に重点を置き、生活を建て直していくべきだと語った。
直嶋参院議員は、「国と地方が力をあわせて名古屋、愛知が日本経済をリードする役割を果たしていきたい」と表明。昨日打ち上げたロケットも名古屋でつくった部品が使われていると紹介し、「ものづくりの技術ある愛知の技術を活かして経済を、生活を建て直していこう。一生にやっていこう」と呼びかけた。
最後に、応援に駆けつけた坂東英二氏がマイクを握り、「人間地道でないといけない。いい加減なことは私で十分」と聴衆の笑いを誘いながら、行政のトップに必要なのは派手なパフォーマンスではなく地道な仕事ができる経験と手腕だと主張、市民の皆さんに冷静な判断をと求めた。
なお、出発式に先立ち行われた開式前行動では地元選出の国会議員がリレー演説。近藤昭一環境副大臣、大塚耕平厚生労働副大臣、大西健介、磯谷香代子両衆院議員、斉藤嘉隆、安井美紗子、轟木利治各参議院議員がそれぞれマイクを握り、「減税によって市民生活が本当に良くなったのか」と改めて提起、市民のための行政実現のためのリーダーが必要だと説いた。
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