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2011/01/27
【参院本会議】輿石議員が菅総理の施政方針演説について代表質問




 参議院本会議が27日午前開かれ、民主党参議院議員会長の輿石東議員が会派を代表して菅直人内閣総理大臣(党代表)の施政方針演説について代表質問を行った。

 輿石議員は菅総理に「旧弊を打破し、未来を切り開く挑戦者であることが期待されており、山積する内外の諸課題に果敢に挑戦してほしい」と求めたうえで、「ねじれ国会」における議論の進め方、景気認識、予算の理念、財政健全化、マニフェスト見直しの方向、雇用対策、TPP(環太平洋経済連携協定)への参加検討問題、社会保障と税の一体改革、普天間問題、中期防衛力整備計画等について質問した。主な質疑は以下の通り。

■「ねじれ国会」における議論の進め方
輿石議員 「ねじれ国会」という現状、限られた期間の中でどのように議論し、国民が納得できる結論を得ようと考えているのか。
菅総理 「平成の開国」は、経済連携の推進、農林漁業の再生が突破口になる。国民の皆さんはこの問題に高い関心を寄せており、各党の意見を持ち寄り、この国会で議論を始めたい。社会保障の問題は長期的視点に立って検討する必要がある重要な課題であり、これも超党派での議論が必要と考える。立場超えた幅広い議論に立って国民の理解と協力を得られるよう、国民的議論をオープンに進めていきたい。国民は、今の危機を脱して将来の日本をどう築いていくのかの建設的な議論が国会で行われることを望んでいる。野党も議論の必要性を認めており、国会の議論や党首討論等で熟議の国会を実現しようではないか。

■マニフェスト見直し
輿石議員 窮屈な財源の中で、今後マニフェストの主要事項の実現をいかに図るか。一定の見直しを行うのか。今後の展望を問う。
菅総理 政権交代以来その実現につとめ、多くの事項について実施・着手してきた。マニフェストは国民との約束であり、引き続きその実現に努力していくことが基本と考える。同時に、今年9月で衆議院の任期の折り返し点を迎えることから、党でマニフェストについてトータルに検証作業を行いたい。大きな方向を変えるものではないが、見直しが必要と判断する場合には、国民の皆さんにていねいに説明することで理解を得たい。

■貿易自由化と農業活性化
輿石議員 TPPの参加検討に関連し、農林水産業の厳しい現実をどう受け止めているか。今後のスケジュールはどう考えているか。
菅総理 貿易が自由化すると農業が危ういという二者択一の発想はとらない。わが国農業の再生は待ったなしの大きな課題。昨年の視察で夢とやりがいに満ちた農業の現場に接し、商工業と連携した6次産業化や農地の集約による大規模化等を進めれば、日本でも若い人々が参加する農業、豊かな農村生活が可能であると私は確信した。この目標に向けた政策の柱が農業の戸別所得補償だ。来年度は対象を畑作に拡大するとともに、大規模化の支援を厚くする。安全でおいしい日本の食の魅力を海外に発信し輸出につなげる中山間地域の小規模農家には多面的機能の発揮の観点から支援。引き続き政府で集中的に議論し、6月をめどに基本方針、10月をめどに行動計画を策定する。

■社会保障と税の一体改革のスケジュール
輿石議員 民主党は、衆議院の任期中に消費税を上げることはしないと一貫して主張してきた。今後の改革スケジュールを詳しく説明してほしい。
菅総理 社会保障改革を進めていくには議論の順序が重要。まず、あるべき社会保障の姿をしっかり議論し、社会保障制度の維持・強化に必要な財源と税制改革を一体的に考えるというスタンスで取り組む。そのため政府与党で議論を進め、社会保障改革の全体像と、財源としての消費税を含む税制抜本改革の基本方針を6月までに示したい。具体的手順としては、あるべき社会保障の姿について4月頃までにその姿、方向性を明らかにする。それを踏まえ、社会保障の具体的な制度改革案と消費税を含む税制抜本改革案の一体的作成を4〜6月をめどに行う。以上の取り組みと並行して、改革について国民の理解を得るための情報発信に精力的に取り組む。この改革により消費税を引き上げることになる場合には国民に信を問うという考えは変わっていない。
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