21日の民主党ネクスト・キャビネット(NC)会議で、北橋健治NC経済産業相は「エネルギー政策基本法案」に対する与党との修正協議の経過を報告した。
同法案をめぐって民主党は「環境との調和」「国民参加」を前提とした新時代のエネルギー政策を実現するために(1)自然エネルギーのさらなる重視(2)市場原理の活用の明確化(3)基本計画を国会承認事項に(4)時宜に応じた基本計画の見直し(5)基本計画作成に向け国民および地方の参加の場の設定、など修正を求めてきた。
特に法案第四条1項を「エネルギー市場の自由化等のエネルギーの需要に関する経済構造改革については、前二条の政策目的を考慮しつつ、事業者の自主性及び創造性が十分に発揮され、エネルギー重要者の利益が十分に確保されることを旨として、規制緩和等の施策が推進されなければならない」として、「前二条の政策目的を考慮しつつ」という一文を加えるよう民主党は求めたが、与党側は「前二条の政策目的を十分配慮しつつ」とすることを主張している。
報告を受けて岡田克也政調会長はこの点を問題視し、「日本の産業再生・競争力回復のためにエネルギーコストをいかに下げるかは重要なテーマ。『十分配慮』ということになると規制改革に水をさす根拠に使われかねない」との見方を示し、今後も修正交渉を続けていくとした。
また、筒井信隆NC農林水産相は「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)の一部を改正する法律案」に対する民主党修正案ついて報告。昨今の食品偽装表示事件をふまえ、「製造業者等が違反した場合、その了承がないと違反業者の公表ができないとしていた規定の削除」「違反業者への罰則規定の強化」を盛り込んだ内閣案に対し、民主党修正案ではそれらがさらに徹底されるよう、品質表示監視官を地方組織に配置し、立ち入り検査権限を与えるなど、監視指導体制の強化を盛り込んでいる。
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