民主党政策調査会会長
仙谷 由人
総務省内に設置された「情報公開法の制度運営に関する検討会」の最終会合が本日開かれ、情報公開法の見直しに関する報告書の内容が固まった。この報告は、官僚による法律の運用改善の必要性を指摘するにとどまり、法律改正の必要性を否定したもので、到底容認できない。
そもそも、情報公開法は法案審議当初から、不開示の判断に官僚の裁量が大きくなるのではないか、手数料や訴訟管轄の問題など国民にとって使いにくいのではないか、行政文書の管理に関する法律が必要なのではないかなど様々な問題点が指摘されてきた。そのため、法律成立の前提として、その運用状況等に応じた見直しを行うため、附則に施行後4年の見直し条項を盛りこんだものである。
この間、この法律は官官接待をはじめとする数々の行政の不祥事を明らかにするなど大きな役割を果たしてきたが、当初指摘された問題点の他にも、開示決定手続きの期限延長の濫用、不服申し立て後の情報公開審査会への諮問手続きの大幅な遅延など法律を骨抜きにしかねない重大な欠陥が明らかになってきた。これらの改善を、官僚の運用のみに頼ることは到底できず、法改正が早急に求められる。
そもそもこの検討会は、メンバー8名の内検討の対象となるべき情報公開審査会の委員や元委員が3名を占め、また情報公開制度の利用者が含まれていないなど構成自体が問題であり、通算12回行われたがその内8回の会合を非公開にするなどその運営にも問題が見られた。
民主党は、昨年秋より党内に情報公開法プロジェクト・チーム(座長:枝野幸男)を設置し、多くの市民の声を聞きながら法律の検討を重ね、法改正の必要性を「次の内閣」においても決定してきた。今回の報告により、政府に法改正の意思がまったくないことが明らかになった以上、民主党は早急に改正法案を国会に提出し、国民の「知る権利」を保障する、より使いやすい情報公開制度の実現に全力をあげる。
以 上
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