岡田克也幹事長は26日午前、宮崎県高原町を訪れ新燃岳噴火の現地を視察。高原町役場で日高町長をはじめ地元の各種団体の方からのヒアリングとともに、ほうれんそう畑などを視察し、被害者の生の声に耳を傾けた。
岡田幹事長は、「政府のみではなく、政府・与党が一体となって取り組んでいく。現場を見るなかでより良い対応を見つけていきたい」と挨拶。
日高光浩町長は、1月26日の噴火以降、大畠章宏国土交通大臣、松本龍内閣府防災担当大臣が相次いで現場を訪れたことに触れながら、「的確な災害の対応および補助事業の構築など政府のスピード感ある取り組みを心強くありがたく思っている」と感謝。今回52年ぶりとなる噴火による被害状況についてはこれまでの経緯を含めて説明し、「地域は惨憺たる状況であり生活は困窮している」「現在は溶岩の鍋のふたで塞がれている状態であり、いつまた噴火するかという恐怖、危機感に襲われている日々が続いている」と窮状を訴えた。
特に、噴火に伴う降灰により今後、土石流の発生による深刻な被害が懸念されると指摘。火山活動の長期化が見込まれる中で、住民の安全と安心を確保するため、住民の避難を適切に行うことができるよう、避難のための参考となる基準雨量の見直しを求めた。
そのうえで、「1日も早く収まり、町民の皆さんの安心・安全と平穏な日々を取り戻せるよう復興に向けて取り組んでいく。その流れのなかで経済支援対策も行っていけると思う」と述べ、町長として町民の生活を守る決意を示した。
地元の各種団体の方からは、農業支援対策を評価する一方、農業以外の商工業への影響もあるとして同レベルの支援策を求める声、噴火がいつまで続くか分からない状況のなかで、今後必要になるかどうか、またその効果も分からない降灰茶の洗浄機を9千万円をかけて準備せざるを得ないという声、本業を抱えながら夜は消防団として活動し、町民を守るため寝る間も惜しんで働いているという実態などが伝えられた。
岡田幹事長はそれぞれの話に熱心に耳を傾け、「高原町は本来とても美しい町であり、元の状態に戻れるよう、県と協力しながら努力していくと応えた。
役場でのヒアリング後には、ボランティアセンター「ほほえみ館」、被害を受けたほうれんそう畑、授業を再開した狭野小学校をそれぞれ視察。
ほほえみ館ではセンター長の案内の下、館内を見学し、「神戸の大震災以来、『日本全体に困った時は助け合う』ことが定着してきた」とボランティアの方々に敬意を表し一人ひとりと握手、激励した。
ほうれんそう畑では、自ら降灰が付着したほうれんそうを手に取り「これは大変だ」と話す岡田幹事長に営農組合長が、洗っても降灰は取れず「わざわざ降灰のついたものはいらない」と出荷停止になっている現状を説明。加えて、土壌自体も今後に向けては診断が必要であるとした。降灰による被害はほかにも、イタリアン等の畜産飼料や畜舎にも及んでいることなども改めて語られ、岡田幹事長は噴火が地元住民の生活に甚大な影響を与えている実態を目の当たりにした。
狭野小学校では校長から説明を受けるとともに、次なる噴火発生に怯えながらも「この町と自然が好き」と果敢に語る先生と生徒とふれあい、「一緒に頑張っていこう」とエールを送った。
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