衆議院予算委員会で28日夜、平成23年度予算に関する締めくくり質疑が行われ、民主党・無所属クラブを代表して稲見哲男議員が質疑に立ち、平成23年度予算、予算関連法案成立の意味や社会保障と税の一体改革等について、菅直人総理(党代表)および野田佳彦財務大臣に質した。
主な質問は以下の通り
■稲見議員 これまで平成23年度予算について大変良い議論が行われてきたと考えるが、総理の思いや政府の考え方が正確には国民の皆さんの所に届いていないのではないか。改めて同予算、予算関連法案成立の意味を教えてほしい。
菅総理 この予算は2つの目的があり、ひとつは当面の景気、雇用面で改善傾向のなか、2010年度の実質経済成長率は3.9%、直近の失業率も5%を切るなど、景気の持ち直しが見えている。デフレ脱却も(物価上昇率)がゼロという所まできた。ここで予算をしっかり成立させ、実行することが安定的に成長軌道に乗せていくことだ。もうひとつは政権交代の時に約束をしたマニフェストについて、子ども手当や農業者戸別所得補償制度、一括交付金化など、一つひとつ前進しているということである。
野田財務大臣 平成22年度の日本の成長率が3.9%というのはG7の中でも一番高い数字。しかし切れ目なく(予算)執行しないと失速しかねない。予算案と関連法案の年度内成立をお願いしたい。
■稲見議員 「社会保障と税の一体改革」、そのための法改正、マニフェストの検証など、中期の工程表について決意を聞きたい。
菅総理 この問題は長年先送りされてきた重要な課題。社会保障の問題について我が国は高齢者に対しては議論してきたが、子ども、若年の問題については十分な議論がなされてこなかった。そのような問題を含めて4月までに社会保障の全体像を示し、6月にはそれに必要な財源をどうするかを税との一体改革で示したい。誰が総理であろうとも、どの政党が政権を担おうとも避けて通れない課題であり、何としても皆さんと協力して中身を固め、国民に提示をしていきたい。
■稲見議員 「社会保障と税の一体改革」に係る税制改革についての財務大臣の所見を。
野田財務大臣 税制改革について安定的な社会保障の姿をしっかり表すための財源をどう確保するかは避けて通れない議論である。国民も野党の皆さんの意見も受けながら、丁寧な議論を進めていきたい。
|