民主党の鍵田節哉議員は22日、衆議院厚生労働委員会において質問に立ち、健康保険法改正案は患者負担の増大を先行し、医療制度の抜本改革を先送りするものであると厳しく批判した。
鍵田議員は冒頭、1997年の健康保険法改正の審議で当時の小泉厚相が2000年までの医療制度の抜本改革を公約したにもかかわらず、今回は、その点を盛り込まずに、患者の負担増だけを強要しようとしているとして、政府の公約違反を強く批判した。
また、97年当時、現厚労相の坂口議員が「抜本改革を先送りした改正案は許されない」と猛烈に反対していたことを指摘し、「その大臣がなぜ、改革先送りの改正案を提出するにいたったのか」と一貫性のなさを質した。厚労相は、「過去において、抜本改革なくして医療制度改革なし、と言っていたが、言い過ぎた面がある」「抜本改革は上手く進まない」「来年4月には改革をスタートさせたい」などと抜本改革の断行を先延ばしする答弁に終始した。
鍵田議員は、97年の改正から5年が経過したにもかかわらず、一向に医療制度の抜本改革が進展していない点を取り上げ、「5年の間、なぜ抜本改革を進められなかったのか」と政府の怠慢を質した。厚労相は、「一言で言えば、いろいろなご意見があり、合意に至らなかった」と発言し、自身のリーダーシップの欠如を露見させた。鍵田議員は、政府・与党の改革先送り・負担先行の政治では、「抜本改革は、来年になっても実現できない」と厚労相の見通しの甘さを喝破した。
さらに鍵田議員は、医療費の自己負担については「国民的議論の上で決めるべきだ」との考え方を示した上で、3割が極限の自己負担とする厚労相に対し、「それが変えられないという保証はあるのか」と質問した。厚労相は、「10年、20年後までその考え(3割自己負担)でしばることはできない」と抜本改革への道筋に全く触れることなく、さらなる自己負担増の可能性も滲ませる答弁を行った。
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