菅直人総理(党代表)は15日午前、首相官邸で会見を行い、国民に向けたメッセージを発表した。全文は以下の通り。
国民の皆さまに福島原発についてご報告いたしたいと思います。ぜひ冷静にお聞きをいただきたいと思います。
福島原発についてはこれまでも説明をしてきましたように、地震・津波により原子炉が停止をし、本来なら非常用として冷却装置を動かすはずのディーゼルエンジンがすべて稼働しない状態になっております。この間あらゆる手立てを使って原子炉の冷却に努めてまいりました。しかし1、3号機の水素の発生による水素爆発に続き、4号機においても火災が発生し周囲に漏えいしている放射能の濃度がかなり高くなっております。今後さらなる放射性物質の漏えいの危険が高まっております。
ついては、改めて福島第1原子力発電所から20キロメートルの範囲は、すでに大半の方は避難済みでありますけれども、この範囲に住んでおられる皆さんには全員その範囲の外に避難をいただくことが必要だと考えております。また、20キロメートル以上30キロメートルの範囲の皆さんには今後の原子炉の状況を勘案しますと外出をしないで自宅や事務所など屋内に待機するようにしていただきたい。そして、福島第2原子力発電所についてはすでに10キロ圏内の避難はほぼ終わっておりますけれど、すべての皆さんがこの範囲から避難を完全にされることをお願い申しあげます。
現在、これ以上の爆発や放射能の、放射性物質の漏えいが出ないように、現在全力を尽くしております。特に東電はじめ関係者の皆さんには原子炉への注水といったことについて、危険を顧みず今も全力を挙げて取り組んでいただいております。そういった意味で何とかこれ以上の漏えいの拡大を防ぐことができるように、全力を挙げて取り組んでまいりますので、国民の皆さまには大変ご心配はおかけしますけれども冷静に行動していただくよう、心からお願いを申し上げます。
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