岡田克也幹事長は2日夕、茨城県鉾田市でのほうれん草農家の視察、首長のみなさん、JA役員、漁協、酪農関係者の皆さんからのヒアリング後に記者団の質問に答えた。
被災地の一つである茨城県への早急な手当としては何から講じていかなければならないと感じたかとの問いに、「根本的には原発を安定的な状況にもっていかなければならないということ。そうでないと同じようなことが繰り返されることになりかねない」とまず指摘した。
そのうえで、「それまでの間、今日直接お話をいただいたように、風評被害によって値段も下がり、出荷量も減っているということに対して国としてもしっかりと補償していかなければならない」と語った。
また米に関して「生産に着手するかどうかタイミング的にもぎりぎりのところに来ているが、原発の状況があるなかで一生懸命に一年かけて作っても、それが売れるのかどうかという不安を多くの農家の方がかかえておられる。そういったことについては国の方針がきちんと示されなければできないと改めて感じた」と述べた。
打ち出すべき方針については「専門家がいろいろ議論しなければならないが、米について全国で減反もしているのであるから、作っても出荷できない可能性があるのであれば、放射能の影響が将来的にありうるところについては、集中的に減反というか、生産を制限してその分を補償するしくみができないかというご提案もあった。そういったことも検討の対象だと思う」と指摘。また、「米以外の農産物についても風評被害で困っている。消費者に安心してもらわなければいけないので、国がもっとしっかりと説明していかなければならない」と強調した。
岡田幹事長は、基準は科学的な根拠に基づいているものだが、過大にとらえられることの弊害があり、県全体が出荷停止になることの合理性があるのかといった見方があり、一端出荷停止になったものが停止解除となるための基準が明示されないことなどを問題視。これが解決できないと「農家の皆さんも安心して生産できないということだと思う」とした。同時に「影響を受けている農家の皆さんに対して、資金繰りや補償の見通しが示されることが非常に重要であると改めて思った」と語るとともに、各党が集まって政府と議論す機会をはじめ、農林水産大臣に対してもこのことを報告して問題提起していく考えを示した。
暫定基準の見直しに関する問いには「基準は科学に基づいてなされるべきだと思う。かなりきびしい基準であることは間違いないが、食品安全委員会も現状を維持するという方向性が出たのでそれはそれで科学者が出した結論として尊重されなければいけない」とまず指摘した。
そのうえで、「ただ、(基準値を超える数値が)一部で出れば県全体が出荷停止するということに科学的合理性がどこまであるのかとか、また大半がハウスで生産されているなかで露地もので基準を超えたからと全部を規制することがいいのかどうかとか、いろんな議論は残されている。そういったところを議論しなければいけない」とも問題提起。基準を科学的な根拠があるにもかかわらず緩めるということではなくて、科学に基づいた基準をきちんと示したうえで、あまりにも杓子定規に基準を守ることによって必要以上の不安や被害を招いていることについて、きちんと議論が必要だと思う」とも語った。
補償に関連しては「今日はお訪ねしたのは現実に出荷制限を設けているほうれん草農家なので、当然補償の対象になるわけだが、その算定基準の話と、風評被害によって出荷量が落ちたり値段が下がっている問題と両方ある」と前置きしたうえで、「早く行政を動かして農家の方々があらためて将来展望を安心してもてるようにしなければならないと感じている」とした。
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