岡田克也幹事長は8日、震災で被害を受けた岩手県内の宮古市、山田町、大槌町、釜石市を視察。被害の甚大さを改めて実感したと述べるとともに、復興に向けて「新しい東北をつくる」と表明し、被災者支援、被災地の復旧・復興に向けて全力で取り組んでいく考えを示した。
津波で海岸沿いの集落が大打撃を受けた宮古市では、山本正徳市長、大井誠治県漁連会長らと懇談。1933年(昭和8年)の三陸地震大津波の教訓から強固な防潮堤を張り巡らし、毎年避難訓練を欠かさず、「防災のまち」として全国から注目されていた宮古地域。山本市長は、先人が営々と築いてきた成果が一瞬にして崩れてしまったと嘆く一方、漁港が復活すれば人々も元気になれるとの期待も込め、仮設住宅の建設と並行して地元の雇用創出などを求めた。
町民約580人が町内の高校で避難生活を送っている山田町、加藤宏暉町長ら多くの職員が亡くなるなど壊滅的被害を受けた大槌町では、沼崎喜一・山田町長や東梅政昭・大槌副町長からそれぞれ状況報告を受けた岡田幹事長。「被災者の皆さんが希望をもって立ち上がれるよう支援するのが政治家の使命」だと述べ、まずは、約4兆円規模の平成23年度第1次補正予算を早期成立させることで、仮説住宅の建設やインフラを復興させていく考えを表明。「復旧・復興ではなく、新しい東北をつくる意気込みで地元の皆さんに先導していただきながら一緒に取り組んでいきたい」と決意を述べた。
避難所となっている山田高校、大槌町中央公民館を慰問した岡田幹事長は、「ご不自由をおかけし申し訳ないが日本中が皆さんを応援している。一緒にがんばっていきましょう」と被災者を激励。寄り添って手を握りながら一人ひとりの話に耳を傾け、仮設住宅の早期建設をはじめ、被災者のニーズに沿った支援をしていくと約束した。
釜石市では、野田武則釜石市長の案内のもとに釜石港を視察した後、災害対策本部のある市内の施設で市長らから状況報告を受けた。市側は、企業の多い釜石では、企業の再開こそが町再生のスタートであるとし、産業基盤再建に向けた政府の後押しを要望。岩手では特に水産加工業が盛んであり、生産・加工・流通と6次産業化させていきたいと市長。岡田幹事長は、被災者の皆さんが安心して暮らしていけるためにも、住宅の提供のみならず雇用創出が欠かせないとして取り組みを約束。これから漁業の市場は日本国内のみならずアジアにも広がるとも指摘し、世界に向けて競争力のある水産加工業を目指してほしいとエールを送った。
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