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2011/04/09
岡田幹事長、宮城県気仙沼市を視察し復興への意見交換行う




 岡田克也幹事長は9日午前、津波で壊滅的被害を受けた宮城県沿岸部、気仙沼市を視察。漁港も家もあらゆるものが破壊され、いたるところに瓦礫の山が連なり跡形もない街並みと、甚大な被害状況を目の当たりにした。

 視察後には、気仙沼漁港の会議室で開催された「民主党への要望会」に出席。菅原茂・気仙沼市長はじめ農林漁業、商業、建築・観光業など地元各種団体から要望書を受け取った。

 要望書は、大津波により多くの命を奪われ、漁港・港湾、道路、工場等事業所など産業基盤に壊滅的な被害を受け、雇用の場を喪失させるとともに、家屋等の流出、電力及び上下水道の都市基盤の損壊など、多方面にわたり未曾有の被害を受けたとして、その対策として26項目を明記。菅原市長は特に重点項目として(1)被災者支援に係る各種現行制度の大幅拡充及び適用条件の緩和並びに市町村負担の軽減(2)三陸縦貫自動車道及び大島架橋の整備推進、三陸縦貫自動車道の早急なルート提示(3)実質的に使用できない家屋その他建造物の公費による解体撤去(4)被災地の計画的復興及び新都市建設のための土地区画整備事業、防災集団移転等に関する国の全面的財政支援と地方自治体の権限強化(5)被災し経済活動が従来規模に戻るために相当な時間を要する事業者に対する金融・税制上の支援(6)被災地方自治体の財政基盤安定のための交付税措置の強化、国による復興に向けた被災市町村のための交付金及び基金制度の創設等――を挙げた。

 岡田幹事長はこれを受け、仮設住宅や瓦礫の撤去、雇用創出を重点に置いた4兆円規模の復興のための第1次補正予算の早期成立、既存の法律で不十分なものへの例外措置の月内成立、被災された東北3県の知事や市町村の代表者の声を反映した中長期的な復興をにらんだ基本的な法律の策定に向け、全力を尽くすと表明。「元に戻すのではなく、日本の新たなモデルとなるような新しい東北をつくっていきたい」と語った。

 会には、地元選出(宮城5区)の安住淳国会対策委員長、長妻昭筆頭副幹事長も同席。安住国対委員長は「お互いこんな津波に遭うとは夢にも思わなかったが、ここで千年、二千年も魚を獲って生きてきた。津波に負けないよう、頑張って踏みとどまらなければならない。また気仙沼のフカヒレが食べられるよう頑張ろう」と呼びかけた。

 「日本全国が応援している。お体を大事に、一緒に頑張ろう」。拍手で迎えられるなか気仙沼市内の避難所となっている小泉中学校を訪れた岡田幹事長は、不安を口にする被災者の方々に寄り添い手を握りながらその声に応えるべく政府・政党として全力を尽くすと約束。第1次補正予算をはじめ、被災者支援、被災地復旧・復興に向けた立法措置を早急に行っていく考えを被災者にも伝えた。

 安住国対委員長は牡鹿半島にある自身の実家も被災し避難生活を送っているとして、「お互い大変だが一緒に頑張っていこう。地震のたびにあわてず安心して暮らせる町をつくるため頑張っていく」と挨拶。長妻筆頭幹事長は、保険証がなくとも医療機関で受診することができるなど政府としての取り組みも紹介、「日本中が全力で支援していく」と力を込めた。
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