東日本大震災復旧・復興検討委員会」が12日午後、国会内で開かれ、委員長の岡田克也幹事長、副委員長の仙谷由人代表代行、輿石東参院議員会長、玄葉光一郎政策調査会長、直嶋正行副代表、幹事の安住淳国会対策委員長、平田健二参院幹事長、事務局長の山口壯政調筆頭副会長らが出席し、約1時間弱にわたり協議した。
会議では特別立法、歳出見直し、復興ビジョン、補正予算の四つの検討チームがそれぞれの取り組みを報告した。
復興ビジョン検討チーム(直嶋座長)は、6日・7日に岩手県の陸前高田市、大船渡市など被災地を視察、達増拓也岩手県知事や地元経済界と意見交換した。その際に寄せられた地元要望として、被災地の高速道路の半年から1年間の無料化、各種物資の便乗値上げの抑制、地元金融機関への金融支援、被災による離職者の雇用対策、売掛金回収困難による連鎖倒産の防止、漁港の復旧、義援金の早急な配分など一部が紹介された。達増知事からは、復旧・復興の前提としての市町村の行政機能回復、国家戦略としての復興ビジョンの早急な策定、地元企業への資金手当――等が重要であるとの指摘を受けたことも報告された。
特別立法検討チーム(中川正春座長)からは、今後の検討手順として、各部門会議から寄せられた提案を取捨選択したうえで、検討委員会で了承された項目をさらに検討チームとして立法化に向けてまとめていくとの報告があった。政府はすでに第1次補正予算関係で地方交付税の総額の特例法などいくつかの予算・税制関連法案の提出を検討しているが、検討チームでは、これらの第1次補正予算関連法案ではなく、それ以降に政府が行う法整備を検討対象とする。
なお、今回政府が予算関連、税制関連法案として提出を検討している何本かの法案は、基本的には阪神・淡路大震災の際に恒久法化されたもの以外の法案。今回は津波が甚大な被害をもたらしたという点が阪神・淡路大震災と相違するため、土地改良法の特例法案の提出も予定されている。
歳出見直し検討チーム(城島座長)、補正予算検討チーム(一川保夫座長)からは、玄葉政調会長(国家戦略相)らが各党と行った意見交換を踏まえた報告があった。これに関連して、玄葉政調会長からも各党との意見交換内容について報告があった。第1次補正予算で対応できていない項目として、海底のごみ処理、東北地方の高速道路無料化をどうするかなどについても言及があった。原子力災害についての補償措置については、玄葉政調会長から、被災者支援法とは別の枠組みになるが、政府が立て替えてでも一時金の支払いを早くしたいとの考えが表明された。
――以上は山口事務局長が会議後に記者団に説明したもの。
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