参議院本会議で2日午後、東日本大震災の復旧に向け緊急に必要な対策を盛り込んだ平成23年度第1次補正3予算が全会一致で可決、成立した。
採決に先立ち委員会の審査の経過と結果に関して前田武志予算委員長が報告した。その内容は以下のとおり。
委員会では(1)東日本大震災からの復旧・復興に向け今回の補正予算案の位置づけ(2)今後の取り組みについての考え(3)今回国債を発行しなかった理由(4)年金臨時財源の補正予算への転用が年金財政に与える影響などについて質疑があり、これに対し菅直人総理はじめ関係各大臣より、(1)震災からの早期復旧を基本に考えたものであり、特別措置により補助率のかさ上げを行い災害復旧事業費はじめ年度内に支出が行われるものを計上(2)復旧・復興と財政規律の維持との両立が大切と考えており、今後の復興にはかなりの財政出動が見込まれることから第2次補正の編成に際してはしっかりとした青写真をつくり財源問題も含めて検討していきたい(3)年金臨時財源の補正予算への活用については、税制抜本改革により財源を確保することで年金財政に不安を生じさせることがないよう、その長期的な安定を確保していきたい旨の答弁があったとなど概要を述べ、質疑および討論終局後の採決の結果、原案通り可決した。
なお、同本会議ではその他、地方公務員等共済組合法の一部を改正する法律案、平成23年度分の地方交付税の総額の特例等に関する法律案、東日本大震災に対処するために必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案、東日本大震災に対処するための土地改良法の特例に関する法律案、東日本大震災に伴う海区漁業調整委員会の及び農業委員会の委員の選挙の臨時特例に関する法律案、東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律案も全会一致で可決、成立した。
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