岡田克也幹事長は8日朝、警戒区域となる福島第1原子力発電所から半径20キロ圏内の福島県双葉郡浪江町を訪れ、東日本大震災による行方不明者の捜索活動を行っている浪江町請戸漁港付近を視察した。岡田幹事長は視察の前に福島県警捜索隊の朝礼に参加し、「大変厳しい環境のなか、活動していただいていることに政府・与党、そして一国民の立場としても心からお礼を申し上げたい」と謝意を示したうえで、「両親や子どもの遺体を確認したいという被災者の皆さんの切なる思いを実現するため頑張ってもらいたい」と激励した。
南相馬市では警戒区域内にある「前田ポーク」養豚場と警戒区域の境界線内にある「大内新興化学」を桜井勝延・南相馬市長の同行のもとそれぞれ訪問。
養豚場では残された家畜について現状3千頭いた豚も警戒区域内にあるため放置された結果、家畜の数が激減したことから、ブランド豚である前田ポークの品種を存続させ、事業継続できるための支援要請を受けた。
大内新興化学では現在従業員130人中75人分については雇用失業保険給付を申請しなければならない状況であること、特に津波で家屋が流されたり、警戒区域内で引っ越しを余儀なくされている現状の説明を受けた。また警戒区域の線引きについては、隣接する工場も操業再開準備がなされていることから、震災から2カ月経ってデータも蓄積されていることから合理的判断を求める声があがった。
さらに岡田幹事長は相馬市の遺体安置所を訪問し、地震や津波で亡くなられた方へ献花し、哀悼の意を捧げた。
午前中の視察などを終えた岡田幹事長は記者団から視察の感想を問われ、「厳しい状況の中でしっかりやって頂いていることは本当にありがたいと思う。ご遺族の皆さんは、少しでも早く父親や母親、子どもさんとひと目会いたいという思いをもっておられるので、それに何とか応えようと頑張って頂いている」と警戒区域内での捜索に改めて謝意を表明した。
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