岡田克也幹事長は8日午後、福島県の飯舘村、川俣町、福島市を訪問し、各自治体首長らと東日本大震災における避難状態やそれぞれの地域で抱える問題点などについて意見交換した。
飯舘村では菅野典雄・飯舘村長らと面談。菅野村長は、計画的避難区域に指定されたため全村避難となることから、入所している特別養護老人ホームの高齢者を避難させることでかえって事態が悪化する可能性に言及し、全村避難の例外措置として計画的避難の中身の検討を求めた。福島第1原発事故で放射性物質による土壌汚染については国家プロジェクトで改善措置を行うこと、ブランド品種である「飯舘牛」の存続させるための施策、仮払い金の給付等について要望があがった。
意見交換後、隣接する特別養護老人ホーム「いいたてホーム」を訪問した岡田幹事長は三瓶施設長と面談し、現状を説明したうえで、入所している高齢者に対して避難区域外から職員が通いながらでも介護できるよう同施設の継続の要望を行った。
川俣町では計画的避難区域から同町内に避難した20人の子どもたちがいる避難所を訪問。古川道郎・川俣町長らと意見交換し、葉たばこの産地として知られていた同町の収穫が見込めなくなることや養豚場移設に当たって移設先がなかなか見つからない現状や補償問題などへの対応について要望があがった。
意見交換後、同町内に建設を希望する仮設住宅立地を古川町長同行のもと視察し、できる限り地元に近い場所で生活したいという住民の希望から立地を決めたことや300戸の仮設住宅を造成期間3〜4カ月で建設費用6〜8億円を要することなどの説明を受けた。
続いて岡田幹事長は約700人が避難する福島市あずま総合運動公園を訪問し、瀬戸孝則・福島市長とともに避難されている方々一人ひとりに挨拶をしながら激励した。避難住民からは1日でも早く自宅に帰りたい、放置された家畜への補償を含めた早期対応、避難指示による要介護高齢者への対応など切実な声が寄せられ、それらの声を受け止めた。
岡田幹事長は「色々な面で事態が進まないこともありご迷惑かけている。ご苦労もあるが一つひとつ問題を解決しながら前へ進めていきたい」と述べ、一刻も早く自宅に戻れる環境をつくるため、政府に強く働きかけていく考えを表明した。
同日の視察などには吉田泉、稲見哲男、石原洋三郎、高邑勉、玉木雄一郎各衆院議員、金子恵美参院議員らが同行した。
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