菅直人総理大臣(党代表)は東日本大震災の発生からあと1日で2カ月を迎える10日夕、首相官邸で記者会見。大型連休中の避難所視察などを振り返って「あらためて被災者の皆さんが1日も早く元の生活に戻れるよう、いっそうの力を注がなければならないとの思いを新たにした」と述べた。
原子力事故についての調査委員会を発足させる準備を進めていることにも触れ、(1)従来の原子力行政・関係者からの独立性(2)国民や国際的に情報をしっかりと公開する公開性(3)技術分野だけでなく従来の制度や組織も検討対象に含める包括性――を発足の基本的考え方として示した。
政府のエネルギー政策については、原子力の安全性確保、化石燃料のCO2削減、太陽光・風力・バイオマス等の再生可能エネルギーの利用拡大、いっそうの省エネルギーへの注力などを柱に政策全体の見直しの議論を進めていくことを表明した。
政府が国策として原子力政策を進めるなかで今回の福島第1原発事故を防げなかったことから、菅総理は東京電力と並んで「政府にも大きな責任がある」と改めて表明、その責任者として原子力事故が収束するめどがつくまでの間、総理大臣として上乗せされている分の歳費を返上することも明らかにした。
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