岡田克也幹事長は15日午後、青森市内で記者団に対し、「14、15日と下北半島を中心に原子力施設を視察、地元の皆さんとも意見交換し、改めて青森下北地方が日本の原子力のなかで極めて重要な役割を果たしていると実感した。そんななかで、福島第1原発の事故もあり、国民の原子力発電に対する信頼が揺らいでいるのでしっかり対応していかなければならないと感じた」コメント。地元の市町村長らとの意見交換において出された「いざというときの避難道の確保を」との声には、「確かに海沿いの道路しかないということであり、津波、地震が来た場合に道路が使えなくなることが十分考えられる。住民の皆さんの安全の確保という観点からも、国として県と協力しながらきちんと対応しなければならない」と指摘。党青森県連が従来から主張してきたことでもあるとして、「改めて現場に行き、必要性を感じた。党としてもしっかり対応していかなければならない」と所感を述べた。
原発施設の工事再開については、「基本的に今まで安全だとされていたなか福島で事故が起きたので、従来と同じ発想ではいけない。政府としても電源の確保、津波対策としての防潮堤の整備など通知をしているが、それだけで十分かどうか客観的に検証し、必要があれば追加的対策をとったうえで次のステップに入ることだと思う」とした。
19日に告示される青森県知事選挙において民主党の山内たかし候補予定者が「原発新設の凍結」を掲げていることについては、「菅直人総理(党代表)も原子力政策についてはもう一度白紙に戻して考えなければと話している。地球温暖化への対応もあり、今までの政府の考え方は原子力発電所に依存したエネルギー政策になっていたが、原発を増やしていくことに対しては安全性の観点から、議論し直していく必要がある」と指摘、全く新規にこれから許可を与えることについては結論が出るまで慎重にしていくという、山内氏の主張と党が考えていることに齟齬(そご)はないとした。
大間町での意見交換で出された高規格道路の建設および国道・県道の大規模改修に関する要望について、岡田幹事長としてどちらを優先させるべきかとの問いには「よく相談しなければいけないこと。高規格道路が早くゴーサインが出るならそちらを優先させることが望ましいが、そうでないのであれば既存の道路の大規模改修を優先させるのか、詰めなければいけない。原発をつくっている地域の皆さんの安全を考えれば、しっかりしたルートをつくることは必要であり、高規格道路の建設は重要課題」との認識を示した。
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