菅直人総理大臣は18日夜、首相官邸で記者会見し、東京電力が前日に示した来年1月頃までに福島第1原発を冷温停止状態に導くとする工程表改訂版に関し、「政府としても、遅くとも来年の1月までには原子炉を低温停止させ、放射能の放出をほぼなくすということで安定化させていきたい」と表明。あわせて、「こうなれば、原子炉周辺の住民の皆さんに対しても、除染あるいはモニタリングをした上で、どの範囲が、どの時期に帰っていただけるかということを申し上げることができるようになる」と述べ、来年1月頃には、原発の冷温停止を前提に、周辺住民の帰宅範囲や帰宅時期を決める考えを示した。
総理はまた、わが国でこれまで原子力の推進部門とチェック機関が同じ経済産業省のもとに置かれてきたことを例に挙げ、「近くスタートする今回の事故の調査委員会においては、この長年の原子力行政の在り方そのものも十分に検討していただき、その根本的な改革の方向性を見出していきたい」と述べ、調査委員会の検討結果を踏まえて政府として原子力安全・保安院の独立性を高める機構改革に着手する意向を明らかにした。
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