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2011/05/31
【衆院復興特】福島第1原発所長の海水注水継続判断の当否、二重ローン問題への政府の対応策など質す 階猛議員
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 衆院東日本大震災復興特別委員会で31日、原発問題等の集中審議が行われ、民主党会派からは階猛議員(岩手1区選出)が質問に立った。階議員は、福島第1原発の所長が東京電力本社の指示に反して独自の判断で海水注入を継続した行為の当否について菅直人総理の考えを聞くとともに、被災者の二重ローン問題に関連して、既往債務の利子補給の財源として日本政策投資銀行が今期国に配当を予定している500億円を充てるべきではないかと提案した。

 階議員はまた、「被災地は今でも懸命に闘っている。全国の皆さんが細く長くで結構なので、被災地の皆さんに支援を」と国民に訴えた。

 主なやり取りは次の通り。

階議員 持ち場持ち場で自分の責任を果たそうとする人の一人に福島第1原発の吉田所長がいたと思う。東電社長らの意思に反しても海水注入を継続した所長の判断は責められないと思う。

菅総理 震災の翌朝福島第1原発に出かけたときに初めてお目にかかった。非常にしっかりした受け答えをされて、私の印象としても頑張っている人だなという印象を強く受けた。法律的にも事業者や原発の現場責任者は自分の判断で危険を回避するための行動をとることは認められているし、結果として海水注入を始め、それを継続したことは正しい判断だったと理解している。

階議員 結果的に良かったからそう言えるのではないか。総理は結果いかんによらず、自分の指示に背いた場合でも同様に答えられるか。

菅総理 注水して冷却することが何よりも重要だということは、私を含めてすべての関係者一致した判断。今回のことは結果としてだけでなく基本的認識においても関係者は一致していたし、そういう意味で的確な判断だった。

階議員 多くの被災者や被災中小企業が二重ローン問題に苦しんでいると言われているが、街づくりの方針がはっきりしないと、これからどうするか決められないというのが多くの方たちの現状。今後しばらくは、既往債務の返済を猶予し、利払いについては国が利子補給するなどして安心して次のことを考えていただくべきだ。その結果、再生していこうという人には、新たな資金を国や民間金融機関、政策金融機関等が出し、既往債務については減免するなどしてトータルで見て再建に役立つ仕組みを作る。不幸にして再生できない人には裁判手続によらず簡易な方法で債務が免除される。このような仕組みを作るべきではないか。

枝野官房長官 現地の事情をふまえた貴重な指摘と思う。二重ローン問題は重要だが、現地の皆さんの多くがそれ以前の段階というのは現地の実感だろう。金融機関では当面の返済猶予など貸付条件の変更申込みに積極的に対応していただいているが、二重ローン問題を含む既存融資への中期的な提案についても、関係省庁が連携しながら鋭意対応を協議している。できるだけ早く具体的にお示しして実際にローンで苦しんでいる方、財産をすべて失ってしまった皆さんが明日への希望を持てるような状況を作り出したいと考えている。

階議員 利子補給をするには年間500億円くらい財源が必要だと聞いている。日本政策投資銀行が今期の決算で特別配当の250億円を含めて500億円配当する計画だと先週公表した。この配当金の原資はリーマンショック時の危機対応融資であり、その時に融資した結果企業が立ち直って利益になったもの。まさにお金は天下の回りものであり、ここで得られた利益を今度は国が被災者のために利子補給として使っていくスキームを考えるべきではないか。

野田財相 ご指摘の通り二重ローンは大きな問題であり、利子補給は有効な一つの施策と思う。政投銀が決算発表会で追加の配当をしようという考えを公表したのは事実で、これが決まれば貴重な財源として活かしていきたいと思う。ただし株主総会などいくつかのプロセスがあってまだ具体的にコメントできる段階ではない。

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