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2002/05/29
【衆院厚労委】大島議員、今後の健康保険制度のあり方を提起
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 民主党の大島敦議員は29日の厚生労働委員会において、健康保険法改正案をめぐる質疑に立ち、今後の公的健康保険制度のあり方をめぐって、坂口厚労相らに質問した。

 大島議員はまず、民間の損害保険会社から公的健康保険制度では保険対象外となる高度医療のがん治療を対象とした医療保険の商品「自由診療保険」が発売されたことを指摘。今後、一般の病気に対する治療や薬剤費をすべてカバーするような保険商品の許可申請があった場合は認可するのか、と質した。これに対して金融庁は「保険料が妥当なもので問題がないということになれば認可する」とした。

 大島議員はこの商品が登場した裏には、治療上有効だと認められる最先端の医療技術にもかかわらず、特定療養費制度で指定されたものでなければ混合診療が認められず、全額自己負担となってしまう背景があることを指摘した。特定医療費制度や健康保険制度の適用範囲の見直しが進まない限り、民間の自由診療保険の商品が歪んだ形で誕生し、公的な健康保険制度の存在価値が薄れ、根底から崩れてしまうことになりかねないと提起した。

 続いて大島議員は、一連の審議の中で、保険料率は値上げしたとしても上限10%とし、医療保険制度の給付率は7割を維持するとした坂口厚労相の発言について確認。厚労相は「保険料も自己負担も抑制されるのが望ましいが、現在の人口動態を見て、将来を含めて考えると、その数字が上限と考える」とした。

 そうした答弁を受けて大島議員は「高齢化が進むと現在は30兆円となっている医療の予算が今後増えていく可能性は大きい」と指摘。その中で保険料率10%・給付率7割を維持するとなると、10年後の予算は10〜15兆円増える予測があるとして、「どこを削り、どう改正していくのか、先を見越した割り切り・議論が必要だ」とした。

 大島議員は「今回の改正は抜本的な改革とは言いながらも、10年後、20年後を見越したものではない」と指摘。国民が直面している制度の矛盾を抜本的に改革し、新たな制度を確立しておかない限り、民間企業が歪んだ形で参入し、国民皆保険制度が崩壊することになりかねない、と重ねて提起。同時に、自由診療、高齢者医療の問題に対する慎重な対応を求めた。

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