民主党障がい者政策PT
座長 谷 博之
本日の参議院本会議で、「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」(下記ダウンロード参照)が可決成立いたしました。
障害者の尊厳を守り、自立及び社会参加を推進するために虐待を禁止するとともに、予防と早期発見の取り組みを国や国民等に求め、養護者に対する支援措置を講じる等のための法律で、2012年10月より施行されます。
知的障害児施設での暴行など、痛ましい事件が報道されるたび、この法律の早期成立の必要性を痛感してきた一人として、肩の荷が一つ下りた思いです。
民主党は早くからこの問題の深刻さを認識し、党内での検討を開始すると同時に、厚生労働省に働きかけて2005年2月から5月まで、民間有識者や各党議員が参加する省内勉強会が開催され、最初の法案をとりまとめました。しかし小泉政権による「郵政解散」により提出がかなわず、その後も党内での累次の検討を重ねて、2009年7月には国民新党、社民党と共同提案の形で衆議院に法案を提出しております。
今般、政権交代の成果である障がい者制度改革推進会議の第1次意見も踏まえ、各党との協議を重ねた結果、成案合意に至り、牧義夫衆議院厚生労働委員長の発議という形をとり、全会一致で可決成立したものです。
かくも年月がかかった主な理由は、学校や病院における虐待をどのように扱うかという論点の検討でした。今回もぎりぎりまで検討を行いましたが各党との合意に達しなかったため、3年後の法の見直しの際の検討課題として附則に盛り込むことといたしました。
民主党は、今後も障がいを持つ当事者のみなさんやご家族の声に真摯に耳を傾け、政府や自治体、新しい公共等と連携しつつ、社会の様々な場面での虐待の防止に全力で取り組んでまいるつもりです。まずは来年度予算の概算要求において、この法律に基づき設置される市町村障害者虐待防止センター、都道府県障害者権利擁護センターに必要な予算の確保に努め、その設置・運営状況などを見守りつつ、上記の残された課題の克服にも引き続き力を尽くす所存です。
もちろん目下は、障がいの有無にかかわらず等しく相互に人格と個性を尊重し合う共生社会の実現をうたい、差別禁止法制への道を拓くこととなる、障害者基本法改正案の1日も早い成立を期してまいります。
以上
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