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2002/05/29
【衆院事態特】前原議員、有事下で制限される国民権利の内容を追及
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 民主党の前原誠司議員は、28日の武力攻撃事態特別委員会で質問に立ち、政府法案が想定する武力攻撃事態下での国民権利保護の問題などを具体的に追及した。

 前原議員は冒頭、瀋陽総領事館事件に関連して、在外公館の警備体制強化の方針を質した。川口外相は、館員の増員やハード(設備)面の強化を検討しているとしたが、前原議員は「あれが逆に亡命希望者でなくテロだったらと考えると、やはり危機管理の専門家を公館におく必要がある」と述べ、自衛隊員や警察官を配置することを検討するよう求めた。福田官房長官は、接受国との関係を踏まえながら検討する考えを示した。

 続いて前原議員は、前回の委員会質問を引き継ぐ形で、武力攻撃事態下では国民のいかなる権利・自由が制約されるかについて質した。官房長官は、「武力攻撃事態法案は基本理念を定めたもの。制限される権利の内容などはこれからの個別法案の検討において問題になることであり、答えられない」と答弁。前原議員は「こんないいかげんな法律はない」と非難するとともに、さらに先の委員会での政府答弁にあった「絶対不可侵の権利」の中身を質した。津野内閣法制局長官は、思想・良心の自由(憲法19条)、信仰の自由(同20条)など、内心の自由にとどまる限りは武力事態下においても絶対的に不可侵だとする見解を明らかにした。なお、武力攻撃事態下において制約される権利・自由の内容とその程度、またその制約に対する救済措置についての政府見解を求める件を、理事会で協議することとなった。

 また前原議員は、具体的なケースの想定に即して武力攻撃事態の認定基準を追及。まず、ある国が尖閣列島を占拠し実効支配しようとした場合に、武力攻撃事態に認定するか、と質した。官房長官は「想像の話をされても困る」としたが、前原議員は憤慨し「自らの国の主権が脅かされそうになった場合についても、認定しうると答弁できない内閣など、やめたほうがいい」と厳しく指弾した。

 さらに前原議員は、サイバーテロ、サイバーウォーによって経済活動が壊滅的な打撃を受けた場合についても質した。官房長官は「一般論としては認定されえない」とし、現行法で対応する考えを示したが、前原議員は「テロやゲリラで多大な被害が出ていることに対して緊急事態だと認定できないなら、それは法の不備だ」と指摘し、情報通信社会に特有の形態のテロなどについても有事法制内で扱うべきだと主張した。官房長官は、サイバーテロなどについては、関連法で対策を検討する可能性が高い、とした。

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