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2001/02/05
「ザ・自民党」こそ日本の危機の元凶=鳩山代表が代表質問
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 衆議院本会議で5日、森喜朗首相らの施政方針演説に対する各党の代表質問が行われ、そのトップとして民主党の鳩山由紀夫代表が登壇した。

 鳩山代表は、冒頭、インドにおける大地震の被災者の方々、ならびにJR新大久保駅 で人命救助のために亡くなったイ・スヒョンさん、関根史郎さんに、深く哀悼の意を表した。

 続いて、今日の国民生活を覆う不安な状況をもたらした原因について総理に質し、バブルを煽りながら、その崩壊のツケを国民に背負わせた政財界リーダー、とりわけ当時総理を務めた2人の閣僚の責任を追及した。

 次に、KSD事件について、「中小企業経営者から預かったお金に群がり、政官業癒着 のパイプを使って巨額の利益を得るという悪質な詐欺行為だ」とこれを断罪。「もはや一 人ひとりの政治家の倫理の問題にとどまらず、自民党政治そのものの腐敗の問題だ」と厳しく指摘した。その上で、真相究明のために、小山孝雄前参議院議員、村上正邦参議院議員、額賀福志郎衆議院議員らの証人喚問要求に応える用意があるかを質した。

 機密費横領事件については、外交、官房両機密費が今後も本当に必要なのかどうかを徹底議論すべきだと指摘。河野外相に対しては、先に発表した外務省の調査報告は真相解明にはほど遠いとし、新たな事実が明らかになった場合は、辞職して責任をとるべきではないか、と詰め寄った。

 行革をめぐっては、今回の省庁再編で霞ヶ関の権限削減や公益法人全廃などは行われず、公務員制度改革に手がつけられなかった理由を追及、大胆な権限と財源の移譲による分権改革の断行を求めた。

 さらに、「完全に復活する体制を整えつつある」といった森総理の現実離れした経済情勢認識の根拠を問い質し、欠落している財政構造改革および財政健全化への具体的な構想を質した。

 有明海のノリ養殖被害問題では、諫早湾干拓事業の失敗を認め、直ちに水門を開けるよう要求。年金制度改革では、基礎年金の全額国庫負担による安心な制度を確立する意志があるかを追及した。

 また、与党内で衆議院の選挙制度を中選挙区制に戻そうという議論がなされていることに対して、これを「ご都合主義」と弾劾、とりわけ坂口厚生労働大臣に、公明党の結党の精神を忘れたのか、と考えを質した。

 そして最後に、鳩山代表は、人間と自然、環境と経済とが「共生」する21世紀の新しい社会の展望を訴え、その実現に向けた最初の仕事として「ザ・自民党」政治を終焉させるという決意を述べて、代表質問を締めくくった。

 答弁に立った森首相は、バブル以降の経済運営について、「“最後の10年”は難しい時期だった」などとしながら、構造改革に取り組んできた結果、現在はゆるやかな改善を続けている、といった具体性のない認識を繰り返した。

 KSD問題をめぐっては、「遺憾であり、お詫びする」と述べながらも、自民党政治 の問題というのは不当な指摘だ、などとした。また、関係者の証人喚問要求については、「議院運営の問題なので」と明答を避けた。

 機密費横領事件では、「真相解明を待ち、問題が明らかになれば必要な対応をとる 」などと、後ろ向きな態度に終始。議場から怒号を浴びた。

 また、有明海問題では、直ちに水門を開けよという地元漁民を始めとした要求にもかかわらず、3月末までに「緊急調査」、その後13年度中かけて「本格調査」などと、対処の先延ばしとも言える調査計画を明らかにするにとどまった。

 さらに選挙制度問題でも、「完全な選挙制度というものはない」「現行制度を頑迷に守るものではない」などと述べ、さらなる制度改悪に含みを残した。

 また、機密費横領事件に関連して答弁に立った河野外相は、可能な限り調査し、抜本的な再発防止に取り組む、と述べるにとどまった。

 選挙制度問題で答弁に立った坂口厚生労働相は、かねてから中選挙区制を主張してきた公明党の微妙な立場を反映し、「民意に沿ったものであることが必要」などと具体的言及を避けた。自民党の腐敗政治に与するのか、という追及に対しては、「腐敗を許さず、清潔な政治を実現するというのが公明党の一貫した姿勢」としつつも、政治の現状については「偏見を持たない冷静な議論」が必要などと、煮え切らない態度だった。

関連URL
  施政方針演説に対する代表質問全文
 http://www.dpj.or.jp/news/?num=8800
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