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2001/02/09
衆院予算委/仙谷由人議員が追及「ものつくり大学への巨額援助は憲法違反」
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■ご都合主義的法解釈を徹底批判

 9日の衆院予算委員会で民主党・無所属クラブの2番手として質問に立った仙谷由人議員は、まず、「ものつくり大学」へのお金の流れについて追及。

 旧労働省が管轄する労働保険特別会計の公金が、財団法人国際技能振興財団(KGS)をいったん経由し、民間からのお金という形をとって、ものつくり大学設立準備財団に入っていたという構造を明らかにし、「用途の明確な公金が民間の金にすりかえられるというようなことがあってはならない」と批判した。これに対して、坂口厚生労働相、町村文部科学相は、事実関係は認めたものの、どこが問題かわからないといった度し難い対応を繰り返した。

 続いて仙谷議員は、国が私立学校へ助成を行う場合の法律的根拠を問題にし、私立学校振興助成法(第4条で経常的経費の1/2以内と制限)や憲法89条(対象を「公の支配」に属すものに限定)に照らして、ものつくり大学への巨額の助成は違法だと追及した。

 政府側は、「私学といえども国の監督を受け『公の支配』に属している」「私学振興助成法は設立された学校への補助の話」(町村文科相)「特段問題はない」(津野内閣法制局長官)などと答弁。仙谷議員は、「それでは、誰にでも、いくらでも支出できることになるではないか。ご都合主義的解釈もいいところだ」と強く弾劾した。

 さらに仙谷議員は、平成13年度予算の改要求でものつくり大学への助成分が一気に20億円増額された経緯についても追及した。99年11月29日に、ものつくり大学設立推進議員連盟に名を連ねる自民党の幹部とKSD幹部、および労働省局長らがホテルで会合を持ち、その直後に要求の増額が決定。それを受けて、12月15日には、牧野隆守労相(当時)、中曽根弘文文相(当時)、中曽根康弘元首相らを含む推進議連の議員とKSD幹部が、赤坂の料亭で“祝勝会”を開いていたこと、などを詳細に暴露し、政官業の癒着の構造をあらためて浮き彫りにした。

■小売酒販をめぐる癒着も追及

 仙谷議員は、小売酒販業をめぐっても、自民党が業界と癒着して不正な画策を進めていることを暴露、追及した。

 すなわち、全国小売酒販組合が酒販の規制緩和の流れに抵抗するために、販売管理士や販売士の設置を盛り込んだ販売管理法の制定を自民党議員に働きかけ、同時に全国酒類管理士協会をつくって6億5千万円もの資金を集めており、自民党からも同法の議員立法による成立をめざす動きが出ているというものだ。

 答弁に立った宮沢財相は、同管理士協会が解散し、会員から集めた資金も全額返還することになっていると釈明。さらにこうした動きについての評価を問われ、「好ましくない」と述べた。森首相は「知らなかった」と述べるにとどまった。

 仙谷議員は、「業界団体と政治連盟、族議員が三位一体となって金と票を集めるという悪しき自民党型政治が、またぞろ増長しているではないか。断じて許せない」と厳しく糾弾した。

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