衆議院予算委員会は19日、森首相が出席して2001年度予算案に対する質疑が行われ、民主党・無所属クラブの3名の議員が政府を追及した。
この日の午後の質疑の冒頭、与党は、予算案採決の前提となる公聴会を27、28の両日に開催する日程案を、野党抜きで強引に採択。直後に発言に立った民主党の池田元久議員は、まずこの強行採決に抗議し、KSD事件に関わった自民党の村上正邦議員、額賀福志郎議員らの証人喚問要求に応じるよう強く要求した。
池田議員は、また、自民党の野呂田芳成予算委員長が18日に秋田県で行った講演の中で、太平洋戦争を正当化する発言をしたことを取り上げ、真意を質した。野呂田委員長の発言は、太平洋戦争を「大東亜戦争」と呼んだ上で、「(戦争を)やったことでアジアの植民地政策が根本からなくなった。東南アジアを歩くと日本のおかげで独立できたと言う人がたくさんいる」などと述べたもの。しかし、野呂田委員長は、「言いたいことはたくさんあるが、委員と委員長のやりとりは慎むべきだ」などとして理事会で協議することになった。
また、森首相のゴルフ会員権問題では、首相が16年にわたって戸塚カントリー倶楽部の個人正会員として名簿にも記載されていたことを挙げ、税法上は当然、会員権の贈与として扱われるものだと指摘。森首相は、「所有は友人の会社だ」と強弁しながらも、「国民から誤解を受けるとすれば、申し訳ない。名義ももっと早く返せばよかったのかもしれないが、ついつい失念した」などと述べた。
池田議員はさらに、「国民は皆おかしいと思っている。約4千万円の会員権の贈与税分1200万円ほどを、進んで国庫に返還したらどうか」と詰め寄ったが、森首相は、「誤解を生んではいけないので、名義変更の手続きを取っているところだ」などとはぐらかすにとどまった。
最後に、池田議員は、内閣支持率が一桁台に急落した最新の世論調査結果を示し、「政治家の進退は自らの責任で決めるものだ」と森首相に辞任を要求。首相は、「景気回復に向けて、予算の成立に全力を挙げたい」などと力なく答えた。
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