衆議院予算委員会で26日、森総理が出席しての質疑が行われ、民主党・無所属クラブから佐藤観樹、原口一博両議員が質問に立った。
まず佐藤観樹議員は、直前に行われた衆議院政治倫理審査会にふれ、「額賀さんの弁明は話に無理がある」と感想を述べ、KSDからの預り金という扱い、議員に報告もないまま机に秘書が保管しつづけたとする点、返却した際に領収書を交わさなかった点など、聞けば聞くほどおかしいと迫った。
森首相は預かり金について問われたのに対し、「預かり金という形が固定的にあるとは考えられないが、いろんなケースがあるのではないか」と苦しい弁明。
佐藤議員は返却した以上は領収書を受け取るのが常識であるだろうと指摘。政治資金規正法上、やりとりしていい金額かどうか考えるべきだったと重ねて追及した。片山総務相は政治資金規正法上では預り金という規定はないと説明した。
村上正邦前参院議員については、28日に参議院で証人喚問が行われる予定だが、佐藤議員は「院にとらわれる問題ではない」と断じ、「厚生省(当時)の雇用保険特別会計から出たお金が関係している点からみれば、予算そのものにかかわる問題だ」と述べ、衆議院でも証人喚問を求めていくことを重ねて表明表明した。
また、小渕前首相の施政方針演説のなかにものつくり大学が盛り込まれた件について、「第三回目の読み合わせの段階で盛り込まれたというが、その場にはどういうポジションの人が加わっていたか」と迫ったが、福田官房長官からも森首相からも明確な答えはなかった。
さらに佐藤議員は、森首相を密室の協議で生んだ「5人組」のひとりである村上議員の辞職について「生みの親のひとりがこういう事態になったことをどう思うか」と森首相に質したのに対し、「仮定の話は別として、辞職したことは残念だ」と述べた。村上議員は「KSD疑惑は逮捕された小山氏、議員辞職された村上氏だけの問題ではない。自民党全体にかかわる、きわめて重大な問題だ」と改めて指摘した。その上で、自民党には自浄能力があるかどうか疑わしいとして、「司直の手に委ねるばかりでなく、自らの手で襟を正すべきだ」と自民党体制そのものを批判した。
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